Tomorrow is another day 43話 | Vicissitudes de richesse ~七転八起~

Vicissitudes de richesse ~七転八起~

人生、転んでも立ち上あがれば勝つんですよねぇ
だから、転んでも立ち上がるんです
立ち上がって、立ち上がり続けるんです

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麻子は振り向きもせず、答えてた。


優人のいる位置から麻子はきっと泣いているだろうと思って


後ろから抱きしめた。


「全然、大丈夫に見えないよ。泣いちゃったら、やっぱり辛いんでしょ?」


「違うの。ただ玉ねぎを切ってるから目にしみちゃっただけ。」


「嘘ばっかり。本当に泣いてるじゃない。辛いなら辛いって言っていいんだよ。」


そこで初めて振り向き優人に抱きつきながら、声も出さず肩だけを震わせていた。


しばらく優人が抱きしめてくれて、少し落ち着いた様子になったらしく、


「忘れよう、忘れようっていっつも思ってるの。優人さんもこんなに心配してくれて。


今は優人さんがいるけど、一人で眠るとね涙を零しながら起きるの。


そんな風に朝を迎えるのは疲れた…。」


しばらく黙って抱きしめていた優人は麻子の目を見て、


「一人で眠るのが辛かったら一緒に住む?僕と一緒だと泣かなくなるでしょ?」


「…。だって優人さん、猫アレルギーでしょ?


エリーも一緒にここに来なきゃいけなくなる」


「確かに僕は猫アレルギーだけど、麻子さんが泣く方が僕も辛いよ。


だから、うちにおいで。僕もエリーと仲良くする様にするから。」


「本当にここに来ちゃってもいい?毎晩一人で寝る時、泣くのは疲れたから。


だけど、どうして私にここまで心配してくれるの?いつまでも中島さんの事を


忘れられないのに。」


「僕が麻子さんを守りたいからだよ。一番大切な人だからだよ。」