Tomorrow is another day 36話 | Vicissitudes de richesse ~七転八起~

Vicissitudes de richesse ~七転八起~

人生、転んでも立ち上あがれば勝つんですよねぇ
だから、転んでも立ち上がるんです
立ち上がって、立ち上がり続けるんです

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優人と麻子のマンションは近かったのだが、


「あぶないし、タクシーで帰った方がいいよ。」


と、タクシーを呼んでくれた。


「大丈夫よ。近所なんだから。」


「でもこの辺は夜、あぶないから。」


タクシーで帰るべきだと、優人は譲らなかった。


結局、優人の言う通りにタクシーで自宅に帰ったのだが、エリーにご飯をあげてから


優人のマンションに戻りたかった。


何故なら、一人で眠るとどうしても彼の夢を見てしまい、涙をこぼして起きてしまうから。


優人の事は大事にしているつもりだった。あんなに麻子の事を心配もしてくれて、


彼の事を忘れられない事も承知で付き合っていたのだから。


だが、エリーはマンションの廊下を歩く足音で麻子が帰ってきたのを察知して


鍵を開けるまで玄関でみゃ~みゃ~鳴いているから、


しょっちゅう優人のマンションに泊まるのはエリーもかわいそうだと思った。


部屋の掃除をしているとクローゼットには優人のスーツが人揃えかけてあった。


優人もたまに麻子のマンションに泊まるので、朝早く自宅に帰るより


麻子の家で着替えてから出社した方がいいと麻子が提案したのだ。


反対に優人の部屋にも麻子の着替えは置いてあったから、


いちいち、お互いに自宅に帰らなくても泊まった日でも


そのまま出社できていた。