優人のマンションに戻ってから、夕食の準備を半分以上していたので
この材料をどうしようかと、迷っていたら、
「明日、食べればいいよ。保存出来るし。今日はどうする?泊まっていく?」
「今日はやめとく。エリーのご飯とかあげなきゃいけないから。」
「そっか、エリーの面倒も見なきゃいけなもんね。」
「だけど、麻子さんが作ってくれた夕飯の半分は僕では料理出来ないから
明日は寄ってもらえたら助かるんだけどなぁ。」
「うん。明日は締め切りが近いから遅くなるかもしれないけど、それでいい?」
「出版社の仕事も大変だね。編集長に聞いたんだけど、徹夜もあるんでしょ?」
「いいの。好きでやってる仕事だから。」
「じゃぁ、これ。麻子さんに渡しておくね。」
ポケットから猫のストラップがついている鍵を渡された。
「僕も忙しい時は遅くまで仕事してるから、遠慮なく入っていいよ。」
「ありがとう。でも何で猫のストラップなの?優人さん、猫アレルギーでしょ?」
「動物の猫は苦手だけど、これは鈴が付いてるだけだからね。」