優人のマンションに行くと必ず近所のレンタル店に行って、
その晩に観る映画を借りていた。
優人はよくレンタル店に通っていたらしく、店員にからかわれていた。
「山下くん、彼女?」
「そうです。素敵な方でしょ。」
「優人さん、恥ずかしいからやめて。」
「男って自分の彼女を自慢したがるものだよ。」
店員が二人がどこで出会ったのか知りたがった。
だが、それは彼の事と関連してくるので麻子はあまり言いたくなかった。
それを察してか優人も詳しい話はしなかった。
「秘密。君も早く彼女作りなよ。」
「だってこの店って男ばっかりなんだよ。無理無理。」
「まぁ、頑張て。じゃぁ、僕達今日借りるの探すから。」
「いつもどうも。」
二人で邦画の映画を探していたが優人は1本のDVDを選んだ。
だだそれは、彼と一緒に観た映画だったので観たくなかった。
我が儘とわかっていたが、
「優人さん。これじゃないのにしない?」
「あれ?これ観ちゃった?」
「…うん。」
しばらく麻子の顔を見た優人は何か考えていた様だったが
すぐに笑顔に戻り、他のDVDを選んでくれた