Tomorrow is another day 23話 | Vicissitudes de richesse ~七転八起~

Vicissitudes de richesse ~七転八起~

人生、転んでも立ち上あがれば勝つんですよねぇ
だから、転んでも立ち上がるんです
立ち上がって、立ち上がり続けるんです

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「僕もこの曲が好きでよく聴くんですよ。歌詞が好きで。ほら、歌詞の中に


『10000回だめで へとへとになっても 10001回目は 何か変わるかもしれない』とか


『10000回だめで 望みなくなっても 10001回目は来る』ってあるじゃないですか。


つまり、希望は捨てちゃダメだって事なんだなぁって思うんです。」


「希望ですか…。」


「そうです。希望は捨てちゃダメなんですよ。


いつか明るい未来があるんですから。」


今まで彼にこだわり過ぎて『希望』なんて考えてもいなかった。


グラスのチュウハイを一口飲むと優人は笑った。


今まで笑っていた優人が突然くしゃみを突然始めた。


「山下さん、花粉症ですか?」


「いえ。そんなはずないんですけどねぇ。ぐしゅん。」


そこへエリーが隣の部屋から餌を食べにやってきた。


優人がいたので毛を逆撫でて威嚇し始めたけれど、それ以上に優人の方が


エリーから離れようとした。


「ぐしゅん!小林さん、猫を飼ってらっしゃるんですか。僕、猫アレルギーで…。」


「あらあら、大変。エリー、ご飯はあっちで食べておいで。」


エリーは麻子が隣の部屋に連れて行こうとする前に後ずさりして


さっさと逃げてしまった。


「大丈夫ですか?今換気しますね。あと空気洗浄機も出しますから。」


窓を開けようとした麻子を優人が後ろから抱きしめた。