Tomorrow is another day 24話 | Vicissitudes de richesse ~七転八起~

Vicissitudes de richesse ~七転八起~

人生、転んでも立ち上あがれば勝つんですよねぇ
だから、転んでも立ち上がるんです
立ち上がって、立ち上がり続けるんです

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ピクリと抱きついてきた優人に反応しながら、そんなはずはないのに


「山下さん。そんなに猫が怖かったんですか?」


麻子はごまかした。


「違うんです。小林さんの背中がとても寂しそうだったから…。」


「…。」


そっと優人の腕に手を置くと二人は向き合った。


ゆっくりとお互いの顔が近づき唇を交わした。



翌朝、二人は一緒にベッドの中にいた。


いつもだったら涙を流しながら目覚めるのに、


優人の体温で涙は零れてこなかった。優人は麻子の隣で熟睡している。


麻子はいつも通り5時前に目が覚めてしまった。でも、彼の夢を見ず


涙を流しながら目覚めなかっただけでも安心した。


優人を起こさない様にベットから降りるとコーヒーを入れた。


しかし、優人はキッチンでコーヒーを作っている音で目が覚めたらしい。


「小林さん。朝、早いですね。」


「おはようございます。コーヒー入れてますけど飲みますか?」


「ありがとうございます。」


久しぶりに再会してから1週間もしないで、この様な関係になったので


まだまだ、二人は敬語で話していた。


(いつかは慣れてくるはず…。きっと)


もしかしたら昨日、優人が話していた『希望』が見えてきたのかもしれない。