優人の手にもビニール袋がぶら下がっていた。
「あ、これ。お見舞になるかわかりませんが、おかゆとミネラルウォーターです。
小林さんもコンビニで何か買って来たんですか?やっぱり食事を作るのは
しんどいですか?」
「ごめんなさい。本当は体調不良なんて嘘なんです。ただのサボり休みです。」
「…。小林さんでもサボる事があるんですね。」
優しい笑みを浮かべながら優人は麻子を責めなかった。
優人の微笑みを見つめながら、
(この人だったら大丈夫かもしれない)
優人からの告白の事を思い出していた。
「せっかく来て頂いたので上がっていかれますか?」
「小林さんのビニール袋に入っているのはアルコールみたいですね。
ご一緒してもいいですか?」
「えぇ。」
本当は一人で飲みたかったが、せっかく心配して来た優人を追い返す様な
真似はしたくなかった。