Tomorrow is another day 20話 | Vicissitudes de richesse ~七転八起~

Vicissitudes de richesse ~七転八起~

人生、転んでも立ち上あがれば勝つんですよねぇ
だから、転んでも立ち上がるんです
立ち上がって、立ち上がり続けるんです

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エリーを抱きしめるとエリーが目を覚まし、ゴロゴロと喉を鳴らして


ひっくり返った。こういう時はエリーが喜んでいるという事は長年飼い始めて


気付いた事だった。お腹を撫でてあげると今度は麻子の手を軽く噛んでくる。


こういったコミュニケーションでエリーと信頼関係を築いてきた。


ただ、エリーは人見知りで知らない人が部屋に入ってくると毛を逆撫でて


威嚇する。威嚇はするが、じりじりと後ずさりをして最後には逃げてしまう。


要するに臆病者なのだ。


ひとしきりエリーと遊ぶと急にアルコールが飲みたくなり、薄いジャケットを


羽織って、コンビニに行った。


アルコール類を一回りして見てから、軽めのチュウハイを3本買う。


つまみも買おうかと思ったが、


基本的につまみはない方が好きなので辞めておいた。


うつむきながらポケットに手を入れて歩く。


マンションの前まで着くと人影に気が付いた。


優人だった。


「山下さん…。」


「今日、編集長から資料を持ってきて欲しいと言われたので


会社へうががったのですが小林さんが体調不良という事で


お休みと聞きまして。大丈夫ですか?」


まさか、体調不良が嘘で休んだとは言えなかった。だが、手に持っている


ビニール袋にはアルコールが入っている。


体調不良の人間がアルコールなど買いに行くだろか。