目を覚ましたのは夕方近くだった。
朝、目が覚める時は涙を流しながら目覚めるのだが、
昼間から寝ているとなぜだか、涙は出ない。
エリーがベット上の麻子の足元で寝ていた。
エリーも飼い始めて8年になる。エリーを動物病院でもらった時に言われたのが
「猫の寿命は約10年です。
それまで、捨てたりしてしないで責任持って可愛がってあげられますか?」
そう忠告されていた。今ではエリーに癒されている事が多い。
エリーは麻子が食事を始めたら一緒に食事をし始め、
麻子がベッドに入ったら一緒になって眠る。
だいぶん、甘やかして育ててしまったかもしれない。
彼の事を忘れたくてエリーを飼い始めたけれど、
本当にエリーを家族にしてよかったと思う。
ただの一人暮らしだとどうしても彼の事を考えてしまっていたが、
エリーがいると抱きしめるだけで安心した。
人間であろうと、動物であろうと体温というのは安心する。