Tomorrow is another day 18話 | Vicissitudes de richesse ~七転八起~

Vicissitudes de richesse ~七転八起~

人生、転んでも立ち上あがれば勝つんですよねぇ
だから、転んでも立ち上がるんです
立ち上がって、立ち上がり続けるんです

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翌日、優人と会う約束をしたはずなのに、やっぱり朝涙を流しながら


目が覚めてしまったのもあり、優人と会うのはキャンセルさせてもらう事にした。


出勤前にメールでキャンセルの旨を告げる。


『今日、お会い出来る約束をしていましたが、記事の編集が急遽変更になったので


時間が取れません。申し訳ありません』


『そうですか。残念ですが、お仕事頑張って下さい。でも頑張り過ぎて


身体を壊さないで下さいね』


本当は記事の変更などなかったが、頭から彼の事が離れなかった。


いい加減彼の事は忘れたかった。


でも、あの楽しかった日々の事を忘れる事など出来るだろうか。


過去になればなるほど、過去は美しい思い出になる。


彼と過ごした日々は麻子の体の一部かもしれない。


出勤前に熱いシャワーを浴びて目を覚ます。


いつも5時前に目が覚めてしまうので、正直眠かった。


特に昨日は睡眠薬をいつもの倍飲んでいたから、頭も重かった。


いっその事、今日は有給を取って休んでしまおうかとも思った。


締め切りまでまだ日にちがあったし、資料は全て揃えてある。


しばらく考えてから、編集長に携帯電話で


体調を崩したので休みたいと連絡を入れた。


「大分、徹夜が続いたからね。いいわよ。


でも編集者として体調管理も大切にしなさい。」


「すみません。」


「明日には体調を万全にして出社する事。」


「はい。」


電話を切ると、今日は何も考えたくなくなって、再び睡眠薬を飲んで


ベットに潜り込んだ。


優人からメールが来ても困るので電源も切ってしまった。