スキャンダル!! 第2章 97話 | Vicissitudes de richesse ~七転八起~

Vicissitudes de richesse ~七転八起~

人生、転んでも立ち上あがれば勝つんですよねぇ
だから、転んでも立ち上がるんです
立ち上がって、立ち上がり続けるんです

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嫌な雰囲気が流れる控え室で、


ブルムンで唯一の既婚者である健君が最初に口を開いた。


「女史、俺達もいい加減大人なんです。もうすぐ俺達だって30代になります。


光の結婚も認めてくれてもいいんじゃないですか?」


「…。」


「光だって俺同様、父親になるんですよ。」


「あなた…。光に聞いたの?」


「えぇ。今日のコンサートが始まる直前に。そりゃびっくりはしましたけど、


紺野さんと付き合い始めて、もうすぐ2年近くになります。


光がこんなに長い期間、


一人の女性と付き合うって事はそれなりに考えてたと思いますよ。」


健君に説得されても女史はまだ、考え込んでいた。


そうね…。私も光ももうすぐ30代になるんだもんね…。


思えば、光と付き合い始めて色んな事があったな。


隠れて付き合ってるつもりでも、芸能記者にバレちゃって


私の会社まで記者が押し寄せて来た事もあった。


新人社員の高田君に好意を寄せられても、それに応えらるなくて


いきなり刺されそうになった事もあった。


婚約記者会見で私をかばって光が刺された事もあった。


2年近く付き合ってても、長かった様で短く感じる…。