スキャンダル!! 第2章 96話 | Vicissitudes de richesse ~七転八起~

Vicissitudes de richesse ~七転八起~

人生、転んでも立ち上あがれば勝つんですよねぇ
だから、転んでも立ち上がるんです
立ち上がって、立ち上がり続けるんです

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私達の婚姻届の保証人になってくれた子はブルムン、全員のサインをもらって


ステージから降りた。光と付き合う前だったら私も欲しかったかもしれない。


光は他のメンバーから肩を叩かれながら、祝福を受けた。


会場中からもファンの子達からの祝福の声があがる。


「ありがとう、みんな。俺、絶対に幸せになるから。彼女と一緒に。


でも、みんなの事も大事にするよ。こんなに応援してくれてるんだもんな。


本当にありがとう。」


光は深々と頭を下げた。


私はステージの袖で嬉しい反面、


(武内さんと紗由理に保証人になって欲しかったなぁ)


複雑な気持ちだった。


でも、光がファンのみんなを大事にしてるから、こんな行動に出たんだろうな。


あの『女史』対策もあるんだろうけど。



コンサートも無事終わり、光達と控え室で話していると例の女史が血相を


変えて控え室に飛び込んできた。


「光!なんてことしてくれたの。あなた達の結婚は反対と言ったはずでしょ。」


「ファンのみんなも認めてくれたんです。いい加減、俺を子供扱いしないで下さい。


明日、この婚姻届を出しに行きます。」


女史はため息をつくと、


「ホントにあなたは予想もしない事をやらかしてくれるわね。」


「それが俺の信条ですから。」


「コンサートで結婚宣言までしちゃったんだから、


今さら結婚に反対は出来そうもないみたいね。


その女史の表情は少し寂しげだった。


やっぱりこの人は事務所のタレントを子供の様に思ってたんだ…。


きっと母親が息子の結婚に反対するのと同じ気持ちなんだろうな。