指名された女の子はスタッフに連れられて、今でも信じられない様子で
ステージに上がってきた。かなり緊張してるのが判る。
光は優しくその子を気遣った。
「身分証明書とか持ってきてる?印鑑とかはさすがに持ってきてないよね。」
「い、いいえ。コンサートの案内で身分証明書とか印鑑とか持参して下さいって
あったから持ってきてます。」
いつの間にそんな案内出してたんだろう…。
もしかしたら光はこの事態を考えていたのかもしれない。
ステージにはいつの間にかテーブルがセッティングされていて、
ゆっくりと保証人の欄に記入にているのが遠目でも判る。
ここまで派手にファンの前で結婚宣言しちゃったら、あの冷徹な社長も
認めざる得ないよね。なんてったってファンを敵に回す事になるんだから。