OLと女優 第2章 35 | Vicissitudes de richesse ~七転八起~

Vicissitudes de richesse ~七転八起~

人生、転んでも立ち上あがれば勝つんですよねぇ
だから、転んでも立ち上がるんです
立ち上がって、立ち上がり続けるんです

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私はそんな2人が羨ましかった。


芸能人同士で隠れながらの交際でも、心から幸せそうだったから。


そういう私は?そう思うと不安になった。


口数が減った私を見て紗由理が心配そうに声をかけた。


「ねぇ、本当に光君から結婚の話とか出てないの?」


「出てないわねぇ。ってこんなに呑気でいいのかしら、私。


いいかげんお母さんを安心させたいんだけど、


相手は国民的アイドルでしょ。事務所が許さないんじゃないかしら?」


「でも、光君の性格から言ったら私達みたいに強引に結婚しちゃって


事後報告しちゃいそうだけどね。


もしくは、コンサートで『俺、結婚しま~す』みたいな


事務所も否定出来ない事しちゃうとか。」


「やりそうで頭が痛い…。


私、その時ファンの子達に恨まれるんだろ~ね。」


紗由理は武内さんの方を向き、


「龍雄さんのファンが結婚したら、私恨まれる?」


「いいや。『羨ましい』ぐらいしか思われんだろう。


うちのファンはそんなに器量の狭い奴らじゃない。」


「よかった~。じゃぁ、友梨香ちゃんも大丈夫よ。


健君が結婚した時だってちょっとした騒ぎにはなったけど、


結果としてはお祝いムードになったんだから。」