夫は黙ってお茶を飲んで聞いていたが、
何かを考える様に庭の花々を見つめていた。
その夜は一泊したのだが、
香は祖父と祖母の間で寝たいと駄々をこね、
久しぶりに夫と2人で寝る事になった。
すると、夫は自分の実家にも関わらず、
身体を求めてきた。
おそらく、昼間の父の兄弟を
作らないかという言葉が、
その行動に移したのだろう。
美奈は夫の実家という事もあり、
「やめて。ここはうちじゃないのよ。」
小声で抵抗の意を示した。
だが、夫は強引に美奈に抱きつくと
そのまま行為におよんでしまった。
美奈はそれが少し悲しかった。
親の言葉で子供を作ろうとする、
自分の意思のなさの夫が悲しかったのだ。
朝、美奈はあれから眠れなくなり
早朝に台所に立ち朝食を作っていた。
まだ5時過ぎだった。
5時半を過ぎた頃、
義母も起きて来て台所にやってきたが、
すでに美奈が起きているのに
驚いているようだった。