2つの鍵 第10話 | Vicissitudes de richesse ~七転八起~

Vicissitudes de richesse ~七転八起~

人生、転んでも立ち上あがれば勝つんですよねぇ
だから、転んでも立ち上がるんです
立ち上がって、立ち上がり続けるんです

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夫は黙ってお茶を飲んで聞いていたが、


何かを考える様に庭の花々を見つめていた。



その夜は一泊したのだが、


香は祖父と祖母の間で寝たいと駄々をこね、


久しぶりに夫と2人で寝る事になった。


すると、夫は自分の実家にも関わらず、


身体を求めてきた。


おそらく、昼間の父の兄弟を


作らないかという言葉が、


その行動に移したのだろう。


美奈は夫の実家という事もあり、



「やめて。ここはうちじゃないのよ。」



小声で抵抗の意を示した。


だが、夫は強引に美奈に抱きつくと


そのまま行為におよんでしまった。


美奈はそれが少し悲しかった。


親の言葉で子供を作ろうとする、


自分の意思のなさの夫が悲しかったのだ。



朝、美奈はあれから眠れなくなり


早朝に台所に立ち朝食を作っていた。


まだ5時過ぎだった。



5時半を過ぎた頃、


義母も起きて来て台所にやってきたが、


すでに美奈が起きているのに


驚いているようだった。