2つの鍵 第6話 | Vicissitudes de richesse ~七転八起~

Vicissitudes de richesse ~七転八起~

人生、転んでも立ち上あがれば勝つんですよねぇ
だから、転んでも立ち上がるんです
立ち上がって、立ち上がり続けるんです

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香は美奈に抱きつき、



「えへへ」



嬉しそうに笑った。


そして武と義父、義母の元へ駆け出して行った。


美奈も両手に義父達へのお土産と自分の荷物を持って


武達の元へ歩み寄った。



「お義父さん、お義母さん、お久しぶりです。


これ、近所で美味しいって噂の和菓子です。


良かったらどうぞ。お口に合うといいんですけど。」



土産を2人に差し出した。


義母は土産を受け取ると、嬉しそうに美奈を見つめ、



「そんなに気を使わなくて良かったのに。


でもありがとう。遠慮なくいただきますね。」



穏やかに答えた。


武の義母はおっとりとした人で多分、


武は母の性格を受け継いだのだろう。


反対に父の方は厳格で厳しい人だった。


結婚の挨拶をしに来た時率直に聞かれた事がある。



『もう、男とは切れているのか。


ちゃんと家に入れるのか。


それが出来ないならうちの嫁にはいらん。』



その時まだ『彼』と切れていなかったので正直ドキリとした。


だが、冷静に、



「私は武さんと結婚したいと思ってます。


その為に会社さえ辞めるのも構いません。


今までお付き合いしてきた男性とは今は連絡は取ってません」



白々しく嘘をついた。