2つの鍵 第5話 | Vicissitudes de richesse ~七転八起~

Vicissitudes de richesse ~七転八起~

人生、転んでも立ち上あがれば勝つんですよねぇ
だから、転んでも立ち上がるんです
立ち上がって、立ち上がり続けるんです

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美奈は投げぱなしで家の中へ入ろうとする香に声をかけ、



「ダメでしょ。靴は揃えて家に上がりなさい。」



自分の靴も整理して玄関の片隅に置いてから注意した。



「は~い。」



とぼとぼと引き返してきた香は小さな靴をそろえると、


母の顔色をうかがった。


美奈は香を私立の小学校に通わせたいと願っていた。


幼少期の頃からいい学校に通わせておけば、


香の将来も安心出来ると思ったからだ。


だから、常日頃から、躾には気を使っている。


注意した分、その後で思いっきり


褒めて上げる様にも心がげているつもりだ。



「ママ、これでいい?」



「凄いじゃない。やれば出来るのよね。


靴もこうやって揃えると綺麗に見えるでしょ?」



美奈は香の頭を撫でながら香を褒めた。