私はなんとなく安心してしまい、光に抱きついた。
「どうしたんだよ、友梨香らしくもない。」
「不安だったのよ。いつバレるか、いつバレるかって。
そしたら貴方は女の子の声まで出しちゃって、ビックリしちゃった」
「あぁ、あれね。
前にブルムンの仲間内でどれだけ女の子の声を出せるか競ってたんだ。
変なグループだろ。」
「そうね。確かに貴方はコンサートのイメージと全然違うし、
逆に雄二君の方がはしゃいでる様に見えてたけど、現実は落ち着いてたわ。」
「おいおい、酷い言い方だなぁ。」
「でも、さすがアイドルね。スエット姿も悪くないわ。」
「アイドルだってスエット位着るさ。」
笑いながらそう言うと私のおでこにキスをした。それを偶然見た母は、
「何してるの?!いつの間にその男性はうちに入ったの?そちらはどなた?」
矢継ぎ早に質問してきた。私達はパッと離れて、
「玄関から入ったのよ。大きな女の子いたでしょ。
それがこの人。BLUE MOONの江川 光さん。ごめんなさい。
騙す様なうちの入り方して。」
それを聞いた母はつかつかと私に近づき私の頬を手のひらで
ビンタした。光はびっくりしていたけど、私もこれにはびっくりした。