OLと女優 第2章 1 | Vicissitudes de richesse ~七転八起~

Vicissitudes de richesse ~七転八起~

人生、転んでも立ち上あがれば勝つんですよねぇ
だから、転んでも立ち上がるんです
立ち上がって、立ち上がり続けるんです

「隠れながらお付き合いするなんて、そんなお付き合い辞めてしまいなさい。


もっと堂々としてなさい。それとも、何かやましい事でもあるの?」


「…。」


母に一般人と芸能人が付き合うのが、どんなに大変か判ってもらえるだろうか。


こんな田舎に1人で住んでいる人にはきっと判ってもらえないだろうな。


私が黙り込んでいると光は何を思ったのか携帯で電話をし始めた。


この修羅場に携帯?何考えてるのよ。


『あぁ、上杉?夜遅くにわりぃ。


今から俺の家に行って一番いいスーツ持って来て。


場所はGPSONにしてるから判るだろ。ネクタイもシンプルなのやつ頼むな。


うちに寄ってからだと高速使ってだったら1時間で着くだろ。


あぁ、訳はこっちに来てから話す。あぁ。頼んだぞ。』


電話を切るとおもむろに母の方を向いて、


1時間程、時間を頂けますか。友梨香さんとの事も僕との事も全部、お話します。


お願いします」


光は頭を下げ、そのまま動かなかった。


私は光が敬語を話せるなんて思ってもいなかったが、


光が頭を下げてるので私からも、


「お母さん、お願い。時間を頂戴。そうしたらちゃんと説明するから。」


光同様、頭を下げた。