OLと女優 94 | Vicissitudes de richesse ~七転八起~

Vicissitudes de richesse ~七転八起~

人生、転んでも立ち上あがれば勝つんですよねぇ
だから、転んでも立ち上がるんです
立ち上がって、立ち上がり続けるんです

「いっその事、3人で出かけましょう。」


「何、言ってるのよ。光がここにいるのがバレバレじゃない。」


「なにも光君をこの格好で出すとは言ってないわ。私は女優よ。


化粧の腕は普通の女の子とは桁違いに違うし、服だって一杯持ってる。


もちろんウィッグもね。要するに光君を女装させちゃうのよ。」


「おっ、それ面白そう。」


光は純粋に喜んでいたけど、女装した光…。あまり想像したくない。


「…でも、いくら紗由理の腕が良くても光は成人男性よ。無理がある気が…。」


無駄とは判っていたけど、光の女装に抵抗はしてみた。


「大丈夫よ。光君はブルムンって言う立派な


アイドルなんだから顔立ちは綺麗だし、


女装したら分からないって。


で、今から龍雄さんにはマンションには来ないでねって連絡入れとく。


こういう事は早い方がいいわ。ここに龍雄さんが来たら、


芋づる式に私達の関係もバレちゃうもん。あれで龍雄さん、気が短いから。


誰かさんと一緒でね。」


一瞬、ムッとしたけどここは紗由理の提案が一番いいみたい。


このうちにこもっていても、あいつはいつまでも帰る気配はないし。


「判った。紗由理に任せるわ。相談を持ちかけたのも私だしね。


武内さんが来る前に連絡した方がいいわ。」


「うん。」


紗由理は嬉しそうに武内さんに電話をしていた。