「いっその事、3人で出かけましょう。」
「何、言ってるのよ。光がここにいるのがバレバレじゃない。」
「なにも光君をこの格好で出すとは言ってないわ。私は女優よ。
化粧の腕は普通の女の子とは桁違いに違うし、服だって一杯持ってる。
もちろんウィッグもね。要するに光君を女装させちゃうのよ。」
「おっ、それ面白そう。」
光は純粋に喜んでいたけど、女装した光…。あまり想像したくない。
「…でも、いくら紗由理の腕が良くても光は成人男性よ。無理がある気が…。」
無駄とは判っていたけど、光の女装に抵抗はしてみた。
「大丈夫よ。光君はブルムンって言う立派な
アイドルなんだから顔立ちは綺麗だし、
女装したら分からないって。
で、今から龍雄さんにはマンションには来ないでねって連絡入れとく。
こういう事は早い方がいいわ。ここに龍雄さんが来たら、
芋づる式に私達の関係もバレちゃうもん。あれで龍雄さん、気が短いから。
誰かさんと一緒でね。」
一瞬、ムッとしたけどここは紗由理の提案が一番いいみたい。
このうちにこもっていても、あいつはいつまでも帰る気配はないし。
「判った。紗由理に任せるわ。相談を持ちかけたのも私だしね。
武内さんが来る前に連絡した方がいいわ。」
「うん。」
紗由理は嬉しそうに武内さんに電話をしていた。