『今、うちの前に芸能記者が来てるの。光君もうちにいるんだけど、
多分光君と友梨香のスクープ狙いだと思うのね。うん。うん。
だからとりあえず光君を女装させてうちを出るから…、
やだ~そんなに笑うと光君に気の毒よ。あははは。釣られて笑っちゃった。
そんな事より、今から急いで光君を女の子にするから。
その後3人でこのうち抜け出すつもり。落ち着いたら連絡するね。
うん。じゃぁ、また後でね。』
振り向いた紗由理は満面の笑みで私達にOKサインを指でしてウィンクをした。
…30分後。
そこには私達と変わらない年代の女の子が立っていた。
ちゃんと胸があってシャツは大柄な体を隠す為に大きめの物だったし、
スカートも長めの物で上手く誤魔化していた。
ワンレングスにした髪は長く、中々表情が見えない。
いや、よく見ると光がニヤリと笑っていた。
明らかに楽しんでいて指でシャツを摘んで自分の胸を覗いたりして、
ニヤニヤしている。私はじ~っと彼を見ながら、
「楽しい?」
「スッゲ~楽しい。女の子ってこんなズルズルしたの履いてて、
脚がす~す~しね~の?」
「光。ここを出たら黙っててね。声でバレちゃうんだから。
いくら見た目女の子になっても。」
「判ってるって。任せとけって。」