「実は今玄関に芸能記者が来ていて、私と光の事を疑ってるの。
まだ、うろうろしていて、あのままじゃご近所に変な噂が立っちゃうわ。
それに、今から武内さんが来るんでしょ?マズイと思うんだけど…。
協力してくれない?」
紗由理は慌ててインターフォンのカメラを覗くと、
「なんでここが判ったの?!」
「それは分からないわ。
ただ、光がこのマンションに入って行くのを見たって。」
紗由理はしばらく考えて、ふと思い付いた様に私達を見た。
「雄二君よ。このマンションには雄二君が住んでるでしょ。
雄二君の彼女でも来ないかってここを見張ってたのよ。」
「だからって私の部屋までなんで来るのよ。」
「雄二君のうちに行くと思った光君が違うフロアーに行ったから
ついて来たんじゃない?セキュリティーがしっかりしてるとはいえ、
調べれば光君が入って行ったうちの世帯主なんて簡単に判っちゃうわ。
私の名前にしなかったのもその為よ。」
3人は黙り込んで、どうしたらあの記者を玄関先から追い出せるか考えた。
そうしたら、紗由理はとんでもない提案をしてきた。