OLと女優 91 | Vicissitudes de richesse ~七転八起~

Vicissitudes de richesse ~七転八起~

人生、転んでも立ち上あがれば勝つんですよねぇ
だから、転んでも立ち上がるんです
立ち上がって、立ち上がり続けるんです

『簡単でした。ピザ屋の配達に後ろからついて来ただけですから。


案外簡単なセキュリティーですね。』


『その件に関してはセキュリティーセンターに苦情を出しておきます。


それと…。』


私は一回、光を見てから深呼吸をして、


『ブルムンの雄二さんの御自宅に行ったんじゃないですか?


このマンションでは雄二さんがお住いなのは有名ですから。


とにかく、何かの間違いです。失礼します。』


一気に言うと光の胸に飛び込んだ。不安だったのだ。


冷静を装っていても、心臓をつかまれている感じがしていた。


「友梨香ちゃん、凄いよ。とっさにあんな事出来るなんて。


俺もドキドキしちゃったよ。


さすが女優の紗由理ちゃんと同居してるだけあるね。」


「あのね、今はそんな事褒められたくても嬉しくない。どうするの。


芸能記者がここまで嗅ぎつけてるじゃないの。」


「ん~、今日は友梨香の所に泊まるから、


この家を出なくて済むし今日の所は大丈夫じゃないの?」


「明日は?」


私は半分呆れつつ一応聞いてみた。


「明日はほらプロモーションムービーの見学に来るだろ。


スタッフとでも言っとくよ。」


「スタッフが遊びに来たマンションに普通泊まる?」


「早めに来たとでも言えばいいさ。」


信じらんない。この軽率さ。絶対、いつかはバレるわ。