「やっぱりダメかぁ…。」
「ダメに決まってるでしょ。さっ、会議、会議。」
私達は会議を始めたけれど、光は面白そうに皆を見ていた。
私の内心は会議を進めつつも、
(頼むから変な事しないでよ~)
そればっかり気になっていた。新しいプロジェクトの会議は奮闘した。
ちらっと光を見ると椅子の下の方で手を振っている。何してんのよ!
他の人に見られたらどうするのよ。私は視線をすぐそらしたけれど、
痛い程の視線を感じだ。
高田君だった。
まさか…。今の見られたんじゃ。
もう一度光と高田君を見ると高田君は光を睨んでる。
バレた!
一瞬にして判った。冷や汗が背中を伝う。言葉に詰まっていると、
「部長?どうしました?」
上島さんが声をかけた。私は無理やり笑顔を作って、
「ううん、何でもないの。良いプランじゃないの、それ。それは採用しましょう。
さっ、江川さんもお時間の様だし、皆さんもご挨拶して。」
私は光と高田君を引き離したくて光を会議室から出ていってもらった。
受付に行く途中で私はこそっと光に耳打ちした。
「なんて事してくれたのよ。あれでバレちゃったじゃない。」
「だって椅子の下からだぜぇ。気付く奴いるか?」
「いたのよ。気がづかなかった?貴方を睨んでる男の子。」
「さぁ。」
そんな話をしているうちに受付にたどり着き、
私達は何事もなかった様に入館証を返した。
そしてダッシュでワゴン車に戻ると高田君の事を光に話した。