OLと女優 74 | Vicissitudes de richesse ~七転八起~

Vicissitudes de richesse ~七転八起~

人生、転んでも立ち上あがれば勝つんですよねぇ
だから、転んでも立ち上がるんです
立ち上がって、立ち上がり続けるんです

高田君は渋々だったけど、2人して職場に戻った。


そうしたら何を勘違いしたのか、会社の皆が私達の周りに集まり、


「あれ~、2人で密会ですか?」


「もしかして、紺野部長の結婚相手って高田ですか?


ダメですよ。年下に手を出しちゃ。」


「新人なのに、いつの間に付き合い始めたんだよ。」


ちが~う。心の中で私は叫んだ。でも私は冷静を装って、


「皆、誤解よ。高田君が相談があるからって言うから2人で話ていただけ。


上司が部下の相談に乗るのは当然でしょ。」


私が慌ててちょっと嘘を交えつつ皆の誤解を解こうとしたら、


高田君はとんでもない事を皆の前で発表してくれた。


「違うんです。俺、俺。紺野部長が結婚されるからって


焦って部長に告白したんです!」


うそでしょ~!


なんて事言ってくれるのよ。私は唖然と高田君の顔を見てしまった。


皆はざわざわしてるし。


「やるな~。結婚前の部長に当たって砕ける勢いだな。」


「それでこそ男だ!」


「それで部長の返事は?」


頭が痛くて何も言えない…。若いってこういう事なのね。


って私も20代半ばだけど。


「部長に結婚相手の男性に会わせてくれって頼んだんだ。


だけど、その人は忙しいとか人見知りするとかで会わせてくれないんだ。


俺は部長に相応しい男性か見極めたい!」


高田君の宣言に皆は、


「おぉ~」


と、どよめき彼に、


「頑張れよ。」


「その男から部長を奪い取るんだ。」


なんて、無責任な事を言ってくれてる。


あぁ、専務に報告する前にこの騒動で絶対耳に入るわ。