OLと女優 73 | Vicissitudes de richesse ~七転八起~

Vicissitudes de richesse ~七転八起~

人生、転んでも立ち上あがれば勝つんですよねぇ
だから、転んでも立ち上がるんです
立ち上がって、立ち上がり続けるんです

高田君は真剣みたいだし、その誠意には答えなきゃね。


「あのね、高田君。」


私がそこまで言っただけで、高田君は直立不動になった。


なんだかかわいい。そんな事思っちゃいけないんだけど。


「高田君の気持ちは嬉しいけど、私は婚約者と結婚するって決めたの。


高田君が会ってもこの気持ちは変わらないわ。ごめんね。」


でも、高田君はそれでも納得しないみたいで、


「とにかく部長の婚約者に会わせて下さい。


それで俺が納得する様な男なら、俺諦めます。」


(会わせる訳いかないじゃないの~)


「あのね、なんて言ったらいいのかなぁ。彼も忙しい人だし、


人前に出るのが苦手なのよ。だから諦めて。」


(人前でコンサートなんてやっちゃう人だけど、忙しい事には変わりないわよね)


仕事も始まる時間だし、もうそろそろ退散したい。


そうよ。部長という特権を使って仕事に戻ってもらおう。


「高田君、話はよく判ったからもう仕事に戻りましょう。


彼にも会えるかどうか相談しとくから。」


「じゃぁ、会えるかもしれないんですね。


男同士で部長の話をしてもいいんですね。」


「とりあえず、仕事に戻りましょう。貴方の気持ちは判ったから。」