案の定、専務のオフィスに入ると、いやににこやかに招き入れてくれた。
「噂に聞いたよ。結婚するんだって?しかも、新入社員の高田君と。」
「専務、それは誤解です。高田君は確かに
私に好意を持ってくれてるみたいですけど、結婚相手ではありません。」
「なんだ、違うのか。せっかく仲人をしてやろうと思ったのに。」
専務は残念そうに肩を落とした。光だったら誰が仲人を務めるんだろう?
やっぱり光の事務所の人?でも、私の会社の立場もあるし。
そんな事を考えてたら、
「で、結局結婚相手は誰なんだい?」
「それは…。えっと。きちんと決まったらご報告します。」
「なんだ、結婚は決まっていないのかね。」
「まぁ、そんなところです。お付き合いしてる段階です。」