プロポーズは嬉しい。
でも、今の仕事をしながらアイドルと結婚生活なんて今は考えられない。
光と結婚するなら仕事を辞めなきゃ。光はそんな私の考えを読んだかの様に、
「ゆり~かちゃん、俺と結婚したら仕事辞めなきゃいけないと思ってるだろ。」
「だって…。ファンの娘とかに恨まれたりしない?
仕事でも興味の視線で見られるのよ。不安だらけだよ。」
「確かになぁ、俺ってファンの娘多いし、恨まれるだろうな。
仕事もやりにくくなるだろうな。」
「光!私は真面目に考えてるの。それを茶化さないで。」
「茶化してなんかないさ。俺、友梨香に仕事辞めろなんて言ったか?」
「言ってない。」
「だろ~。キャリア・ウーマンの妻を持つアイドル。良いと思うけどなぁ。」
「確認だけど、光は本当に私と結婚したいの?」
「もちろんさ。ほら、俺達ってアイドル、アイドルって言われ続けて
ちょっと俺も有頂天になってたんだよね。そこで、友梨香の登場だ。
友梨香は俺をアイドル扱いしないでちゃんと叱ってくれた。
ダメな事はダメだって言ってくれた。そんな人初めてだったんだよね。
マネージャーまでも俺に遠慮してるのにさ。
だから、俺がぶれそうな時にしっかりした友梨香みたいな女性と
人生を共にしたいと思ったんだ。これじゃ理由にならない?」
「私は貴方の第一印象は最悪だったわ。なんてチャラい男なんだろうって。」
「そこまで言う?」