私はバックの中からダイヤのリングを出してはめてみた。
大きな窓から入る光りに反射して眩しい。
一般サラリーマンには買えない大きさよね、
これって。
…。
(私ってホントにプロポーズされたんだ…。)
指輪を見ながらしみじみと思った。
結婚するとしたら、光をお母さんに紹介しなきゃな。
お母さん、喜んでくれるかな。反対しないかな。
なんてったって国民的アイドルだもんね。光がTVに写ってない日はない程だし。
親1人、子1人だからお母さんちょっと子離れしてないところあるし。光が、
『お嬢さんと結婚させて下さい』
なんて真面目に言うのも、想像しただけで笑えるけど。
そんな事考えてたら、中畑君がノックしてきた。
私は慌ててダイヤのリングを抜こうとしたけど
中畑君は私の返事も待たずに入室してきた。
なんで、私の返事を待たずに入ってくるのよ~。
私がアタフタしている間に彼は私の目の前にやってきて
資料に目を落としながら、
「紺野部長、こないだのマーケディングの集計ですけど…。
何やってるんですか?」
「う、ううん。で、集計結果はどうなった?」