OLと女優 66 | Vicissitudes de richesse ~七転八起~

Vicissitudes de richesse ~七転八起~

人生、転んでも立ち上あがれば勝つんですよねぇ
だから、転んでも立ち上がるんです
立ち上がって、立ち上がり続けるんです

私はバックの中からダイヤのリングを出してはめてみた。


大きな窓から入る光りに反射して眩しい。


一般サラリーマンには買えない大きさよね、


これって。


…。


(私ってホントにプロポーズされたんだ…。)


指輪を見ながらしみじみと思った。


結婚するとしたら、光をお母さんに紹介しなきゃな。


お母さん、喜んでくれるかな。反対しないかな。


なんてったって国民的アイドルだもんね。光がTVに写ってない日はない程だし。


1人、子1人だからお母さんちょっと子離れしてないところあるし。光が、


『お嬢さんと結婚させて下さい』


なんて真面目に言うのも、想像しただけで笑えるけど。


そんな事考えてたら、中畑君がノックしてきた。


私は慌ててダイヤのリングを抜こうとしたけど


中畑君は私の返事も待たずに入室してきた。


なんで、私の返事を待たずに入ってくるのよ~。


私がアタフタしている間に彼は私の目の前にやってきて


資料に目を落としながら、


「紺野部長、こないだのマーケディングの集計ですけど…。


何やってるんですか?」


「う、ううん。で、集計結果はどうなった?」


思わず左手で、書類を受け取ってしまった。私の馬鹿~。何やってるの。