「日銀会合、米雇用統計のイベントリスク」 | 岡安のFXブログ レグザム・フォレックス

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昨日はリスクオンの動きから安全通貨とみられたドルと円に売りが進行。
昨日の欧州市場で行われたECB理事会では予想通り政策金利が据え置きを決定。その後のドラギ総裁記者会見でユーロは上昇に転じました。総裁は「スペインの必要な条件が整い次第国債購入を実行する用意がある」「ユーロは後戻りできない」と発言。特に目新しい発言とは思えませんが市場はこれに反応。ユーロ円を中心にクロス円が全般に買いが強まりました。また、NY時間には新規失業保険申請件数が36.7万件と予想の37万件を下回ったことで、前日のADP雇用統計改善とともに本日の米雇用統計に期待が高まりました。この申請件数も予想とほぼ変わらないものの市場はこれを好感。この程度でリスクオンの動きが強まるという事はそれだけ市場の悲観論が後退したといえそうです。それは、世界的な追加緩和の動きが背景にあるとみられます。
本日は先日欧米に続き追加緩和を実施した日銀政策会合が開かれます。会合には前原経済財務相も出席する意向を表明。今回の会合での追加緩和の可能性は低いものの、この出席により市場に対し日本政府が日銀に圧力をかけるという強いメッセージを送ったことになります。円安の動きが強まり始めている時だけに市場がどう反応するか注目です。
NY時間には注目の米雇用統計が発表されます。FOMC議事録ではQE3の効果に懐疑的な見方も一部であったものの大半が追加購入や規模の変更でQE3のリスクは対処可能と考えていたことが示されました。FRBは雇用状況が大きく改善されるまではQE3を継続すると宣言しています。失業率が順調に下がるためには毎月20万人の雇用増が必要とみています。今回の非農業部門雇用者数は11.5万人増と予想されるものの、今回はまだMBS購入前の数字になります。予想通りの数字であれば今の市場のセンチメントであれば好感されるとみます。
これらのイベントが終了しても今の楽観的なムードが継続するようであれば来週の相場が見えてきそうです。


<ドル円>
日銀政策会合では追加緩和は見送られると予想されます。予想通りであったとしても市場は瞬間的に失望売りが強まる可能性が高いとみます。昨日はドル円のショートカバーが一巡したことでNY市場では押し戻される場面がみられました。前原経済財務相が日銀に同席することが表明された事で買いが強まったことから、一部では追加緩和期待も残ります。今日のドル円は上値が重そうですが、雇用統計で再びリスクオンの動きが強まれば再度上値を試す展開とみます。予想レンジは78円80銭から78円10銭


<ユーロ円>
2週間ぶりに102円台に乗せてきました。ドラギ総裁がスペインなど必要な条件が整い次第国債購入を実行に移す用意があると発言。また、FOMC議事録が公開されドル売りが強まったこともユーロを押し上げました。全般にリスクオンの動きが始まっておりユーロ円の上昇力は依然強そうです。61.8%戻しとなる102円20銭で上値を抑えられたことで今日の雇用統計を控え一旦は押し戻される場面がありそうです。戻しの下値サポートは101円80銭、101円50銭。レジスタンスは102円80銭付近。

<オージー円>
豪州8月小売売上は+0.2%と予想の+0.4%を下回ったことで売りが加速。80円付近の損切を巻き込み79円72銭まで下落しました。ここまで売られる程の内容ではないものの、利下げ後の悲観的なムードがそれだけ強かったという事になります。79円ミドル付近というのは今年の6月、7月、9月に圧し戻されたレベルでもあり強いサポートになります。対ドルでも1.01ミドルの底値に達したことでそろそろ売りも終了に近いとみます。ドル円の上昇が確認されればオージー円の買いが本格的に動き始めるときです。