「円安とドル高」 | 岡安のFXブログ レグザム・フォレックス

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-~ 岡安式相場の読み方 ~





アジア市場では中国のISM非製造業PMIが悪化したことを受けリスク回避の動きから、安全通貨のドルと円に買いが集中。クロス円も全般に上値の重い展開で始まりました。
午後に入ると本邦からの要人発言が流れるとそれまでの動きが徐々に減速。今月11日に日本で開催されるG7を控え武正財務副大臣、中尾財務官、そして城島財務相など新閣僚など全員が投機的な円高に対し断固たる措置を行うとしたけん制発言が相次ぎました。G7での声明はないとしたものの、会議では円高に対する日本の立場を表明することを検討。また、日銀に対し政府と緊密に連携をとり果断な金融政策を実施すると発言。明日発表の日銀による追加緩和への期待も一部では浮上するなど円高をけん制する動きが目立ちました。発言後の市場の動きはほとんどみられなかったもののNY市場に入ると円売りの動きが加速。米9月ADP雇用者数が16.2万人増と予想の14万人増を上回ったことで明日の雇用統計に期待が高まりました。また、9月ISM非製造業が55.1と予想の53.4を上回るなど景気回復期待からのドル買い、そしてクロス円の買いが強まりました。アジア市場ではリスク回避からのドル買いの動きが、NY市場では景気回復期待からのドルが買われるなど捻じれ減少も目立ちました。本来、ドル買いと円買いが同時に起こるものが、昨日は円高けん制発言もあり円安が強まりドル円は4日連続の上昇となりました。
本日はECBやBOEの理事会、そしてFOMC議事録が公開されます。イベントリスクとしてはクロス円の売りが出やすく注意が必要です。ここにきてドル円が動き始めたことでクロス円が活発に動き始めています。明日の雇用統計も含め、イベントが終わればリスク後退によりクロス円も再び上昇に転じるとみます。


<ドル円>
本邦からの要人発言などもありドル円の下落リスクは後退し4日連続の陽線となりました。今回の円安は円高けん制発言と同時に日銀による更なる追加緩和期待や外債購入なども影響しています。また、ドル買戻しの動きやクロス円の買いもドル円の底を上げた要因と考えられます。それらはまだ本格的なものではなく、明日の日銀会合で何も出なければ失望売りに繋がります。また、米雇用統計を控えポジション調整的なドル売りも出やすくそろそろ目先の高値に近付いたように見えます。直近の高値70円20銭の前には一目の雲の下限でもあり76.4%戻しでもある78円80銭付近が上値を抑えてくるとみます。下値も底が切り上がったことで78円20銭付近から78円ちょうどにかけて強いサポートとみます。


<ユーロ円>
欧州銀行監督機構(EBA)はEU加盟国の欧州銀行が2000億ユーロの資本増強を6月末までに実施したことを発表。当初指摘されていた1147億ユーロを大幅に上回る結果となりユーロにとってはプラス材料。前日にスペインのラホイ首相が救済要請を差し迫っていないとの発言で上値の重かったユーロは再び上昇。また、米景気指標の改善からもリスクオンによる買いが強まりユーロ円は101円ミドル付近まで上昇。底堅い動きが目立ちます。9月14日に付けた高値からの調整売りが一巡し買戻しの動きが要因とみます。パラボリックが101円70銭、50%戻しにあたる101円75銭付近が次のレジスタンスとなり、ここを抜けると買いサインに転換。101円20銭付近がサポートとみます。今日はECB理事会で政策金利は据え置かれると予想されますが、万が一利下げしたとしても最近の動きからは寧ろユーロ買いに反応するとみます。


<オージー円>
中国の非製造業PMIの悪化や8月貿易赤字拡大によりオージー円は80円を割り込みました。前日の利下げサプライズにより悲観的なセンチメントが漂っていたこともあり目先の投げが目立ちました。ただ、日本からの円高けん制発言などから円が売られた事や、米国景気期待の高まりから79円70銭付近を底値に上昇。ほぼ目先の売りも一巡したようにみえます。79円70銭付近は9月初旬に付けた安値でもあり底値として意識されます。6月からの動きを見ても79円台では何度も跳ね返されているレベルでもあり抜けるのは難しいとみます。
今日は豪州8月の小売売上や住宅許可件数が前月を上回ると予想されます。ここで、悲観的なムードが後退するか注目。もし、再び下落に転じるようであれば上昇するにしてもかなりの時間がかかりそうです。