欧州債務危機を巡る不安 | 岡安のFXブログ レグザム・フォレックス

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-~ 岡安式相場の読み方 ~



25日のスペインにおけるデモに続き昨日はギリシャでも大規模ゼネストが発生。115億ユーロの歳出削減する追加緊縮策に対する抗議デモで一部暴徒化。欧州債務危機を巡る不安が再燃しかねない状況となり安全通貨としての円やドルに買いが集まりました。また、ドイツ・オランダ・フィンランドはESMの銀行の資本増強に関しては最後の手段としてのみ活用されるべきとの共同声明を発表。これらからスペイン国債利回りは再び6%台に上昇。ECBの無制限購入を打ち出したにもかかわらずスペインの調達コストが再び上昇。しかし、ストライキはこれまでも何度か見られ、その度にリスク懸念が高まったものの結果的にそれを乗り越えてきました。スペインの支援要請も調達コストが高まれば支援要請をせざるを得ないことから今回のリスクは一時的なもので終わると考えられます。
昨日のNY時間に発表された8月新築住宅販売件数は予想を下回ったものの住宅販売価格は過去最高の11%上昇となるなど住宅市場の回復に期待が高まるものでした。
日米欧の追加緩和政策はこれらの状況を踏まえた格好で実施されたもので、その効果もまだ見ないうちに市場では失望感が先走りしたようにみえます。QE3や日銀の追加緩和の時も同様に最近の市場は先に織り込んでいく傾向が特に多くみられます。金融政策の次の一手はまだ先となることからマーケットは不安定なその隙間を狙ってきたようにも見えます。不安定な動きの時にはリスクオフの動きが強まることになりドルや円が買われやすい地合いは今日も続きそうです。
ただし、今日からスポットのバリューデートは10月1日になることから本邦のレパトリなどは既に終了。新たな取引を行うためこれまでの円の流れに変化が現れるか注目されます。


<ドル円>
自民党の総裁選も市場には影響はなく円高が進行。一時欧州時間に77円58銭まで下落。NY時間にはいきなり77円90銭まで押し戻される場面も見られました。当局の介入警戒感が高まったとの見方もありますが、そろそろ警戒区域に入ってきたように見えます。77円前半からの売りはリスクが高くショートカバーが入りやすくなるため注意が必要です。半期末が終わりに近づいたことでそろそろ流れに変化があるか注目。9月14日に付けた安値77円45銭がサポートとみます。

<ユーロ円>
欧州市場ではスペイン国債の下落などからユーロ円は100円を割り込み99円68銭まで下落。その後は買い戻しが強まりNY終り値では100円台に押し戻されて終ったことで一先ず売りが一巡したとみます。99円ミドルはQE3が実施する前のレベルでボリンジャーバンドの中心線もこのレベルに位置するだけに強いサポートとみます。このレベルを下回るようであればもみ合いが続いた98円付近までの下落も想定されます。


<オージー円>
中国の景気減速や欧州債務不安の高まりでリスクオフの動きからの売りがこの日も強まりました。ただ、NZドルは貿易赤字額が拡大したもののNY市場では上昇に転じています。NZドルは豪ドルの先行指標になることも多々みられます。今のところ豪ドルはユーロの動きに攣られた格好で上値の重い展開が続きますが、AUD/NZDクロスが1.25ミドルを付けるなど今年の安値付近まで下落するなど今後NZドルの動向にも注目。
オージー円の最も強いサポートレベルは79円ミドルからで前回の安値79円70銭付近が意識されます。そろそろ中期的な仕込みのレベルに近づいてきたとみます。