相場の分岐となるか | 岡安のFXブログ レグザム・フォレックス

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-~ 岡安式相場の読み方 ~





欧州債務問題の警戒感が和らぎ米国追加金融緩和への期待が後退するとの観測が高まるなど、相場に変化がみられます。相場の分岐点が訪れたのか今週はそれを見極める週となるかもしれません。
メルケル独首相は先週域内債務危機の解決に向けECBの国債買い取りを支持することを表明。ユーロを防衛するためあらゆる手段をとるとの姿勢を示したこと。更に、ギリシャ救済の条件緩和の観測が高まるなど欧州債務問題の不安はここにきて後退。メルケル首相は今週23日にフランスのオランド大統領と会談、24日にはギリシャ首相と会談するなど問題解決のための動きが更に進むか注目されます。一方で、メルケル首相のギリシャ条件緩和譲歩に対し与党内での意見対立もあり一部で不安が残るものの市場のセンチメントに変化が現れたことは確かでしょう。
また、米国小売売上など堅調な米経済指標を受け追加金融緩和への期待も後退。金利差拡大からドル円は久しぶりに79円台に乗せてくるなど、こう着状態が続いたドル円にも変化がみられます。8月初旬には流動性が低下する中でFOMCやECB理事会、そして7月米雇用統計といったビッグイベントに際しても円高は進みませんでした。8月円高説もあり絶好のドル売りチャンスにも拘らず攻めきれず、寧ろドル円の底堅さを印象つける結果となりました。
日本のGDPが下方修正されたことや経常黒字額の縮小といったものも背景にあると考えられます。ただ、ドル円に関しては円高というよりもドルの金融政策が大きく影響を与えることから、今回は米金融緩和期待の後退が上昇に繫がったといえます。
先週のドルはユーロやポンドに対しては寧ろ下落し、豪ドルや円に対し上昇しました。まだ、本格的なドル上昇といった状況ではなく調整の域を脱していません。その調整が終わり本格的なドル買いとリスクオンの動きが始まるか見極める上で今週は重要な週といえます。
22日にはFOMC議事録が公表されます。メンバー内での意見の相違が明らかとなれば追加緩和への期待が更に後退する可能性もあります。また、今週はこれまで回復の兆しを示す住宅関連指標の発表が相次ぎます。これまで追加緩和期待がNY株式市場を支えていたものが、景気回復による下支えに変化してきたことにも注目されます。これが本来の姿といえますが、追加緩和期待の後退で株式市場が混乱しないとなれば更に緩和の必要性は薄まります。大統領選挙を意識して9月のFOMCで追加緩和を行えば政治的な圧力に屈したといった印象も広がりかねないだけにバーナンキ議長は難しい状況に立たされそうです。
今週は日本勢がお盆休みから戻り久しぶりの円安レベルで実需の売りを出してくるとの見方もあります。ただ、既に休み中に売り注文がほぼ実行されていることから影響は低いとみます。先週のドル円は高値で引けてきたことも買いの勢いが強いことを現すものです。豪ドルなどこれまで上昇していた資源国通貨は先週末に調整の売りが出たものの、一巡すれば再び上昇トレンドに戻るとみます。

ドル円の予想レンジ:80円60銭~79円20銭