「ドルと円を抜いたクロス取引」 | 岡安のFXブログ レグザム・フォレックス

岡安のFXブログ レグザム・フォレックス

-~ 岡安式相場の読み方 ~






今週は日本企業の多くがお盆休みのため東京市場の流動性は低下。
朝方発表された日本の4-6月GDP速報値は年率で1.4%増と予想の2.3%を大きく下回りました。しかし円が売られることはなく寧ろドル円は下落。実需の売りは少なく、機関投資家など資本の売りなどが一部散見されたようです。今週は米国の景気指標に市場の注目が集まることからポジションの調整の動きが目立ちました。
昨日はイタリア政府債務が6月末時点で過去最大に拡大したものの1年物証券入札が好調な結果となったことでユーロは堅調に推移。市場にとって特に注目するほどの材料ではないものの、この日はユーロやポンドが買われる一方、豪ドルなどリスク通貨が売られました。結果的にみるとユーロオージーなどの利食いとみられるクロス取引が中心の相場展開となりました。目先見通しの不透明なドルや円を抜かした取引とも言えます。
今週は米国の重要な景気指標が発表されます。景気回復基調が確認されれば追加緩和への期待が後退し、ドルの先行きに対する見方がここで大きく変わることになります。
今日は7月小売売上が発表され、前月比0.3%増と4カ月ぶりにプラスに転じると予想されます。1-3月の暖冬の影響で景気が上向いた反動で4-6月が落ち込み景気への不安が拡大。その不安が払しょくされるようであればドルの流れが変われば円への影響も大きくなります。
ドルの流れが不透明なことからクロス取引が強まったとも考えられます。
今日はユーロ圏GDPの発表も控えます。0.2%前期から下方修正されると予想されますが市場では既に織り込み始めていることから影響は限定的とみます。
米国の景気回復が確認されれば、投資マネーは安全なドルやドイツなどの債権に向かうと同時に、資源国通貨であり経済が比較的しっかりとしたオージーやカナダなどに最終的に向かうと思われます。

<ドル円>
日本の4-6月GDPが予想を下回っても円買いの動きが強まるなど相変わらず円高期待が根強く残ります。昨日はドイツ中銀が日本国債の取引を9月から本格的に開始することを明らかにしました。300億ユーロのうち20億ユーロ相当を既に円に投資。中国の円債の買いなど円高期待が高まります。ただ、同時にオージーなどへの投資なども期待できそうです。金額的に日本の海外へのM&Aなどと比較すれば影響は今のところ小さいとみられます。
注目は米ドルの動きです。米7月小売り売り上げが予想通り上昇すればドル円に最も大きく影響を及ぼすとみます。


<ユーロ円>
イタリア1年物入札が好調に終わったものの欧州債務不安は残ります。昨日はユーロオージーなどの利食いで一部ショートカバーが入りユーロは上昇。しかし、中期トレンドの下落基調に変化はなく一時的な戻しとみてよいでしょう。今日はユーロ圏GDPや独ZEWなどの発表を控え神経質な展開が予想されます。ユーロドルの1.2250(6.8%)、ユーロ円の95円70銭(76.4%)の底を固められるか注目。

<オージー円>
中国の景気刺激策が打ち出されなかったことなどもありますが特に売り材料があったわけではないものの下落。ユーロオージーなどの利食い売りが先行したとみられます。先週83円ミドルを超えられなかったこともあり目先は利食いが先行しやすい状況とみます。82円20銭は強いサポートとなります。米国景気回復が視野に入れば再びリスクオンの動きから再びオージー買いが強まるとみますがそれまでは慎重に。6月1日からの上昇トレンドは継続とみます。