中心は円ではなく米ドル | 岡安のFXブログ レグザム・フォレックス

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-~ 岡安式相場の読み方 ~


FOMC声明では米成長が次第に加速するとの文言が加わるなどこれまでよりもやや前向きな見方が強まりました。また、超ハト派のメンバー二人がゼロ金利解除の時期を前倒しにするなど、米国追加緩和の可能性はこれまでよりも後退し他とみてよいでしょう。バーナンキ議長はQE3の可能性を温存する発言をしたものの、市場の期待は後退したとみてよいでしょう。
ただ、昨日の新規失業保険申請件数が予想を上回ったことで雇用回復の勢いが弱いことを改めて示すものでした。追加緩和の可能性は今後米国雇用の行方が大きく影響を与えることになりそうです。
今月初旬に発表された3月の雇用統計が予想を大きく下回ったことでその直後は追加緩和への思惑は高まりました。次のFOMCは6月となるため、その間に米国雇用統計発表は来週を含め2回あります。その結果を踏また上で6月のFOMCでは再び追加緩和への思惑が高まる可能性もあります。まずは来週の米雇用統計に市場の関心は集まりそうです。

さて、注目は本日実施される日銀金融政策決定会合です。
昨日から市場では資金買入れ基金の規模が5兆円にとどまるとの観測が高まりドル円は一時80円66銭まで売り込まれました。5兆円という数字を市場は発表前から大分織り込んでしまったのではないでしょうか。これにより、今日の会合で予想通り5兆円となったとしても瞬間的な売り圧力がかかったとしても、下値は限定的と思われます。
市場はそろそろ次回の会合まで織り込み始めているようにみえます。もし、今回10兆円規模の拡大となれば次の手が限られることになり上値も同様に限定的とみられます。
いずれにしても、日銀の金融政策は米国金融政策と比べると相対的に影響は一時的なものになりそうです。相場は円ではなくドルが中心として動いていると考えた方がよいでしょう。
今年2月の日銀会合で追加緩和策が打ち出されたことでドル円の上昇が始まったと考えると相場についていけないかもしれません。その会合前の2月3日に発表された米雇用統計を機にドル買いが始まり、その勢いに乗じて日銀の追加緩和が加速させたと考えられます。
昨日のFOMCではまだドルのトレンドを変えるものではなく2か月の時間の猶予をもらったと考えた方がよいかもしれません。
今回の日銀会合では規模が問題というよりも日銀の断固とした姿勢が問われるのではないでしょうか。