「市場はドル円を狙い撃ち」 | 岡安のFXブログ レグザム・フォレックス

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-~ 岡安式相場の読み方 ~

ドル円は昨日のNY市場でついに80円を割り込みました。先週行われた日銀の政策決定会合では資産買入れ基金を5兆円増額し、買い入れ対象国債の残存期間も円柱することを決定しました。更に、ETFやREITといったリスク資産の購入も増額するなど日銀にとってはかなり頑張った内容といってよいでしょう。しかし、市場にはサプライズはなくその後円高の勢いが増し、結果的に80円を割り込んでしまいました。日銀会合の前にはスペインの格付けが2段階引き下げられたことで市場にはリスク懸念が広がっていたこと。そして、会合後のNY市場では米国GDPが2.2%と予想の2.5%を下回り米景気減速への懸念も円買いの動きを強めた要因とみられます。日本企業は早いところでは先週末から9連休に入るゴールデンウイークが始まりました。ドル円の取引は今週に入り流動性は停会することから投機筋から見ると仕掛けやすい通貨ということになります。市場は、先週のFOMCでは追加緩和を見送るとの思惑に対し日銀の追加緩和といった金融政策のギャップを狙った動きが先週までは見られました。しかし、米国景気減速が強まれば再びFRBの追加緩和実施への可能性が高まります。一方、日銀は中期的物価安定の目途である1%に遠からず達成する可能性が高いと言及。今後、追加緩和の可能性が後退するとの見方からドル円の売りを仕掛けてきたとも言えます。そこにスペイン問題が浮上したことや、週末にはフランスやギリシャの選挙、そして注目の米雇用統計を控えるだけにリスク回避の動きは強まります。
特に、米雇用統計は今後の相場を読むうえで重要なイベントになります。次のFOMCが開催される6月までに米雇用統計は今週と来月1週目の2回発表されます。この結果次第では次回のFOMCで追加緩和の可能性が高まりかねません。
この数年はゴールデンウイーク前の4月にドル円は高値を付けて下落傾向が始まるといったパターンがみられます。投機筋は同じパターンが繰り返しを狙ってドル売りを仕掛けている可能性もあります。これが本格的な下押しになるかどうかは雇用統計や選挙を見てからになります。
ゴールデンウイーク中にポジションを一方向に偏らせるのは危険です。