「ベージュブック、米国追加緩和期待の後退」 | 岡安のFXブログ レグザム・フォレックス

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-~ 岡安式相場の読み方 ~


昨日は全般にリスクオフの動きも一服感が漂い相場の今後の流れを見極めようとする動きが目立ちました。
欧州時間にはイタリア短期債の入札が実施され入札額は上限に達したものの利回りが上昇したことでユーロの上値が抑えられました。しかし、その後クーレECB理事がスペイン国債の借り入れコスト低下のために国債購入を実施する可能性を示唆したことでユーロ買いが強まりました。これまでECBは4週間ほど購入を控えていたことから市場は今回の発言に期待が高まりました。この程度で市場が安心するということは依然として市場の方向感が定まっていないと考えられます。NY市場でもこのスペインのニュースやベージュブックの内容から久しぶりにNYダウが上昇して引けるなど、こちらも簡単にセンチメントが変わりやすい状況といえます。ベージュブックでは12地区で穏やか、或いは緩やかなペースで拡大しているとしました。ガソリン価格の上昇は懸念されるものの雇用や住宅に関しては楽観的な見方を示されました。今月26日に開かれるFOMCではこのベージュブックを基に話し合われることからQE3への期待は後退したといってよいかもしれません。ただ、6月にはFRBが実施しているツイストオペの期限を迎え、今月のFOMCが最後となるためQE3を実施する可能性が高いとする声が聞かれます。もし、ここで追加緩和を行うとしてもこれまでとは異なるものとなりそうです。今回の目的は住宅市場の底上げを狙い住宅ローン担保証券の買い取りを中心としたものになり、短期資金を吸収する不胎化政策がとられると予想されます。そうなれば、FRBのバランスシートは変わらないことからドル安要因にはなりにくいと考えられます。また、FOMCの次の日に日銀の政策会合が実施されることから、米国が何らかの動きがあれば日銀も追随することは間違いないでしょう。そう考えると、QE3への期待が高まったとしてもドルが大きく下落する動きはなさそうです。
いずれにしても、今週はまだ方向感を見極めようとする動きが続きます。
ドル円は昨日強いサポートとみられた81円を割り込み80円ミドルまで売り込まれるなど、危険水域に入ってきました。80円は2月の安値76円付近から84円台に上昇した半値戻しにあたり、一目の雲の上限でもありクルーシャルなポイントになります。このレベルを完全に割り込むようであれば市場のセンチメントは弱気に転じると思われます。
ここでドル円が凌ぐことができるかで今後の流れが見えてきそうです。