日米金融政策の温度差から円全面高 | 岡安のFXブログ レグザム・フォレックス

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-~ 岡安式相場の読み方 ~

バーナンキ議長講演では先週の雇用統計に関する発言はみられなかったものの「米経済の完全回復は程遠い」と言及。市場はFRBによるQE3への期待が高まり始めています。一方、日銀政策会合では政策を維持することで合意。今回は追加緩和への動きを示さず、次回27日での会合で議論するとしましたことで失望観からの円買いが強まりました。日米の金融政策に若干の温度差がみられましたが、大きな変化はなく短期的な動きとみることもできます。こ
の日は欧州の主要国がイースター明けとなり慎重なムードが漂う中でユーロが急速に上昇。スイスのヨルダン暫定中銀総裁が「対ユーロでの上限1.2フランを死守するためあらゆる手段を駆使する」としたことでユーロスイスが上昇。ユーロを全般に押し上げました。先週、ユーロスイスが一時的に1.2を割り込んだことで市場が中銀の政策に疑念を抱いたことを受けた発言とみられます。この上昇も一時的ですぐにユーロが押し戻されるなど荒っぽい動きがみられ、市場の流動性はまだ完全に戻っていない証と考えられます。
気になるのはNYダウの下げ方です。米国企業の決算発表の幕開けとなるこの日、アルコアの好決算で始まりアップルの時価総額も6000億ドルを上回りました。しかし、ダウは下落。スペイン国債の下落や1-3月の株式市場の上昇が大幅であったこと反動からダウは前日に続き売りが強まりました。企業業績予想は今年後半に再び拡大するとの見通しが強いことからダウの下落は調整とみるところが多いようです。4月は毎年調整が出やすく、今回の株価下落が即FRBの金融政策に影響するとは思えません。
いずれにしても、今週は今後の方向感を掴もうとする動きが目立ち、ここで一方向にポジションを傾けるのは危険とみます。
ドル円は強いサポートとみられた81円を割り込んできました。リスク回避から安全資産として円が買われているとの見方もありますが本当でしょうか。日本の安全神話は既に崩れ始めていることから、こちらも2月から続いた上昇の修正とみることができます。
先週の米雇用統計から始まり、スペイン財政問題から欧州債務国への不安の高まりや日銀会合やQE3への期待の高まりなど今週は円高に進む要因が予想されました。その予想通り円高は進んでいるものの大きな流れを変えるほどのものではありません。これまでの修正の動きが終われば再び流れに戻ると思われます。
しかし、万が一ということもあり日を超えるポジションは少なく持った方がよいかもしれません。