週末発表された米国雇用統計は予想以上のサプライズとなりました。
イースターで欧米諸国などでは多くの金融関係者などが連休を取り市場の流動性は極端に低下している中での発表でした。米国3月の雇用統計は非農業部門雇用者数が12万人増と予想された20.5万人を大きく下回ったことでドルは全面安の展開。一方、失業率は前回の8.3%から8,2%に低下するなど予想を下回ったものの市場の反応は見られませんでした。失業率は遅行性が高いためどうしても先行性の高い雇用者数に市場は反応しやすくなります。薄商いの中での下落となったことからテクニカル的に買い戻しの動きは強まると考えられますが、ドル安の動きは目先継続する可能性の方がたかそうです。今週は10日に日銀政策会合が開かれ、市場は何らかの追加緩和への期待が高まります。しかし、今回は見送られとの予想が多く、何もなければ一時的に円買いを仕掛けてくる可能性があります。
また、今週は9日と13日にバーナンキ議長の講演が行われます。先週の雇用統計の結果を踏まえQE3の可能性を示唆するようであればドル売りの動きが更に強まりそうです。ただ、今週は複数のFRB連銀総裁の講演も行われることからバーナンキ議長の発言との温度差が生じればドルの反発も考えられます。
欧州でもリスクオフの動きが強まる可能性があります。先週実施したスペインの国債入札が不調に終わったことをきっかけに欧州債務危機拡大への懸念が強まりました。ただ、先週の動きはイースター休暇を控えた特殊な動きとも考えられます。今週は12日にイタリア国債の入札も控えており、入札が好調となれば欧州問題も一時的なものに終わることも予想されます。いずれにしても、今週は先週のドル安の流れの中でリスクオフを高める材料が多いことから、その結果を見極めてから動き始めても遅くはないかもしれません。
ドル円は81円前半まで下落したことで一旦は底値感が出たかもしれません。81円付近はフィボナッチの31.8%戻しのレベルでもあり、ボリンジャーバンドの下限が位置することから、強いレジスタンスとみます。ドル円を買い遅れたところは買いを入れやすいレベルでもあります。80円を割り込むようであれば円安の流れに変化が生じることから損切も入れておく事も必要でしょう。
円の予想レンジ:83円00銭~81円00銭