欧州債務懸念と米景気回復期待 | 岡安のFXブログ レグザム・フォレックス

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-~ 岡安式相場の読み方 ~


昨日もスペイン国債が売られるなど欧州債務危機への懸念が再燃しかねない状況となりました。
元々欧州債務問題はギリシャ危機が後退したとしても市場の懸念はくすぶり続けていたもので、ここにきて急に湧き上がったというわけではありません。イースター休暇を前に市場のポジション手仕舞いが進んだことや、市場の流動性が低下していることから値動きが一方向に傾きやすいといったこともありそうです。
前日にはスペインのラホイ首相が歳出削減予算成立を目指し同国が極度な困難に直面していると発言。また、同国の入札結果が不調に終わったことやドラギECB総裁が欧州景気の下振れリスクに言及したことがこの背景にあります。俄かに高まった欧州危機は一時的な動きとなるのでしょうか。
本日の米国雇用統計発表を市場はやや神経質になり過ぎているようにも見えます。昨日発表された新規失業保険申請件数や前日のADP雇用者数など穏やかな雇用の改善がみられるだけに、本日発表の雇用者数も4か月連続で20万人台に乗せてくると思われます。この20万人というのがFRBにとってはいらだつ程遅いという認識があるものの、確実に米国景気回復の足取りは進んでいることは確かです。欧州危機が強まる度に欧州債が売られ米国債が買われるといった状況が今回もみられました。世界景気はこれまで米国と欧州の綱引きが中心となっていましたが、ここにきて中国景気の動向も加わり三つ巴の綱引きが最近目立ちます。その中で市場が注目するのは腐っても鯛ではありませんが米国が第一位、欧州問題が第二位、中国はその後を追うものと考えられます。結局今日の米雇用統計の注目度が高いことがそれを表すもので今後の相場を読むうえではやはり米国景気ということではないでしょうか。
日本はその中で米国の後ろを追うコバンザメのような存在かもしれません。ドルの追加緩和期待が後退しドル売りの転換期といえるときに日銀が追加緩和の意向を強化し、ギリシャデフォルトが後退。長く続いた円高の流れの変化が現れ始めた時に、再び円安材料の一角である欧州危機が円買い戻しの動きを誘います。結局2月初旬の米雇用統計発表後から続いたドル円の上昇が一服したところで、イースター休暇を前に調整が今回の動きが中心と考えます。
市場では来週の日銀決定会合で追加緩和への何らかの動きがあるとの観測から昨日は円売りが強まりました。もし、来週に動かなくとも27日の会合に行うという期待が高まりそうですが、それだけを見ると追加緩和を実施した後には寧ろ円高に進みやすくなると考えられます。次の一手を常に日銀が出さざるを得なくなります。しかし、今回の円安の流れは米国の金融政策が主体であり紆余曲折を経て最終的に円安の流れに戻ると考えます。
いずれにしても、今日の雇用統計を見てから来週の動きを予想したいと思います。