先週はドル円やクロス円など全般に前週に付けた高値後の調整の動きが目立ちました。
ドル円に関しては月末であり年度末という要因などもあり上値の重い展開もみられました。
今週はその動きが継続するのか、或いは高値を再び試す展開になるのかを見極める週となりそうです。
先週は中国の景気減速懸念の高まりや米国景気回復期待が一部後退した事からリスク回避の動きが強まりました。それにより、これまで上昇が目立った株価や原油などといったリスクの高いものなどの売りが目立ちました。ただ、週末に行われたユーロ圏財務相会合では危機拡大防止ファイアーウオールの強化で合意に至ったことから欧州だけではなく全般にリスクオンの動きが再び強まりました。これらの動きをみると全て個別の調整の動きと受け止める事が出来ます。
米国の住宅関連や景況感を示す指標がこの2週間で軟調な地合いを示しました。しかし、これだけで米国景気が後退するという事ではなく、これまでの行き過ぎた期待感への調整と考えられます。また、中国の景気減速懸念を背景に株価が全般に売られましたが、やや市場は過敏に反応し過ぎといえます。それは、株価が全般に買われ過ぎといった印象が強く、これでポジション的には大分解消されたとみる事もできそうです。そうであれば市場は今後それ程中国からの影響を受けなくなると考えられます。
欧州債務問題も金融安全網を8000億ユーロに拡大したものの、この規模ではイタリアなどが危機に陥った場合には不十分となります。今後IMFの協力なども含め問題山積の状況に変化はありません。ギリシャ問題が一旦後退した事で市場は好材料に反応し易いものの、いつ状況が急変するか分かりません。
また、日本は年度末という特殊な状況もありドル円は82円を何度か割り込むなど上値の重い展開がみられました。これは2月から一本調子に上昇した事から高値警戒感が高まり始めていた状況下であった事からの反動と考えてよいでしょう。
いずれにしても、先週の動きは調整の域を脱していないと考えられます。また、欧州問題の後退から米国経済へ市場の注目は移り始めています。
今週はその米国景気をみる上で重要な米雇用統計が発表されます。また、その他にもFOMC議事録やECB金融政策会合など重要なイベントが盛りだくさん。
ただし、週末はグッドフライデーで欧米市場などが休場となるため市場の流動性は極端に低下するため荒っぽい動きも予想されます。ポジションの取り方には十分注意してください。
また、今週は日本が新年度に入る事からドル円の底固めが終わり再度上値を試す展開が予想されます。ただし、NY終値で82円を再び割り込むようであればもう一段の調整も考えておく必要がありますが、それも買いを入れるチャンスと捉えてよいかもしれません。
円の予想レンジ:84円50銭~81円50銭