「バーナンキ議長の思惑」 | 岡安のFXブログ レグザム・フォレックス

岡安のFXブログ レグザム・フォレックス

-~ 岡安式相場の読み方 ~

きのうのNY時間に行われたバーナンキ議長の発言でドルは一時全面安の展開となりました。
欧州時間にはドイツのメルケル首相が既存のEFSFと7月に設立されるESMを当面併存させ金融安定網の一時的な増強に応じることを明らかにしました。
これで30日から始まるユーロ圏財務相会合で合意する可能性が高まりユーロが上昇し市場には安心感が広がりました。
NY市場が始まりバーナンキFRB議長は講演で依然苦しい雇用状況を改善するには金融緩和を継続し景気回復を加速させる必要があるとの見解を示しました。
QE3には言及しなかったものの、このハト派発言を受けドルは特にユーロなどに対して売られるなど市場は大きく反応しました。
2月末には議長が景気見通しを引き上げたことや、雇用改善が当初よりも早い回復がみられるといった発言から金利やドルが上昇してきました。
今回の発言ではその動きを抑制しようとする意図も感じられます。
本音では予想以上の改善を頤使していると思われますが、ここで手綱を緩ましてしまうと市場は先回りして債券売りに走る危険性もあります。
先週の住宅関連指標をみてもまだ底打ちがはっきりしたとは言い難く、もうしばらく様子を見たいところでしょう。
それまではQE3も含め何か事あればすぐに対処できる体制を維持したいという思惑があるとみます。
今後もバーナンキ議長はこのような発言により市場をコントロールしてくるとみてよいでしょう。
市場はその辺の思惑はある程度分かっているのか、一旦はドル売りに反応したとしても方向転換をするほどの動きは見せません。
昨日の米10年債利回りは寧ろ上昇し短期金利は下落するといった動きを見ても明らかでしょう。
昨日に引き続き今日もワシントン大学でバーナンキ議長の講演が予定されていますが、昨日のハト派的な発言が出たとしても反応は限定的とみます。
今日発表の米消費者信頼感指数といったインフレを表す指標が特に今後注目されます。
もし、インフレの兆しを示すようであれば緩和期待も後退する可能性があります。