「中国景気減速の連鎖」 | 岡安のFXブログ レグザム・フォレックス

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-~ 岡安式相場の読み方 ~


中国の製造業PMIが前月49.6から48.1に悪化したことやユーロ圏総合景気指数も弱い内容となったことを受けシルクオフの動きが強まりました。
中国PMIが発表された時点では豪ドルの下落以外にはそれほど大きな影響は見られずこれで終わったかと思われました。
ところが欧州市場に入ると中国の景気減速が欧州経済の足を引っ張るとの観測からユーロがいきなり下落に転じました。
更に、その後発表されたドイツやユーロ圏PMIが予想を下回ったことからNYの株式市場にもその影響が飛びするといった世界的な不安の連鎖がみられました。
これによりリスク回避の動きが強まるとリスク商品の原油や株式、そしてリスク通貨などクロス円の下落も目立ちました。
結局安全通貨としてのドルや円に買いが入りドル円は目先のレジスタンスとみられた83円を割り込み一時82円前半まで下落しました。
これで再び市場にはドル円上昇に対し疑問の声が聞かれるようになりましたが、果たしてそうでしょうか。
2月初旬から始まったドル円の上昇は76円付近から8円余りとなり、ここで初めて戻しらしい戻しが入り始めました。
日本の2月貿易統計が前回1兆5千億近い赤字から329億円の黒字に転換したことで円高の動きを助長したといわれます。
これは米国向け自動車輸出の伸びが貢献したもので、それだけ米国経済の回復の兆しが強いことを表すものと考えられます。
しかし、全般でみると日本のエネルギーの輸入など貿易赤字が簡単に解消するとは思えません。
ちょうど高値圏でもみ合いが続いていたことからドル売りのタイミングとされたものとみてよいのではないでしょうか。
調整の売りが終われば再びドル円は上昇に転じるとみています。
底値は82円付近が最も強いレジスタンスとみます。
このレベルにはパラボリックやフィボナッチ23.6%戻しのレベルでもあります。
このレベルを抜けてくると弱気の意見が高まり80円という大きな節目も視野に入ります。
ここまで下げてくるとすれば絶好の買い場となりそうです。
中国の景気減速が世界的な景気減速を引き起こす可能性は今の時点で判断するのは時期尚早ではないでしょうか。
米国の景気は上向く中であくまで今回の動きは調整の域を脱していないとみていますが、節目節目では損切を入れる事が長生きのコツです。