「中国の景気減速と米国景気 | 岡安のFXブログ レグザム・フォレックス

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-~ 岡安式相場の読み方 ~


昨日は日本が春分の日の祝日となったことでアジア市場は比較的静かな中で、豪ドルの売りが目立ちました。
この日は豪州で今月6日に行われたRBA金融政策会合での議事録が公開されました。
欧州危機が緩和したことや同国の鉱業部門の投資ブームからRBAは政策金利据え置きを決定しました。議事録では景気下振れリスクが実際に具体化する可能性が数か月前に比べ低下たことことを指摘。インフレが抑制された状態が続く場合は緩和余地が十分あるとの見解が示されました。
市場では景気下振れリスクの後退という内容から豪ドルが買われる場面も見られましたが、利下げ期待の高まりから一転して豪ドル売りに傾きました。
前日に付けた1.0635ドルの高値を超えられなかったことで一先ず利食いが先行した形となりました。
また、欧州市場に入り英豪系鉱山会社BHPビリトンが中国の鉄鋼生産の伸びが鈍化していることを指摘したことを受け豪ドルは更に下落。
中国に向けた鉄鉱石の輸出が減少すれば豪州経済に大きな影響を与えるとの観測が高まったためと考えられます。
しかし、前日には中国が成長目標を引き下げたことに対しRBA総裁は中国GDPが10年後に米国と肩を並べると指摘。
また、中国が過度に減速した場合でも対応する能力があると発言していたことから、この豪ドル売りも一時的な調整売りとみることができそうです。
また、この日は原油価格の下落も目立ちました。
サウジアラビアが原油相場の高騰を防ぐため増産も辞さない構えと示したことや、リビアの原油輸出量が近く内戦前の水準を回復するとの観測が強まったことが背景にみられます。
また、イラン制裁法に基づく制裁対象から日本など11か国を除外することが決定したことも相場を下押ししました。
これらから有り余った投機マネーは原油や豪ドルなどの利食い売りを強めたと考えられますが、マネーの余剰には変化はなくいずれ再び買いを入れてくると思われます。
昨日は米国2月住宅着工件数が発表されました。
主力の一戸建て住宅が大幅に落ち込んだことを受け前月から1.1%の減少となり予想を下回りました。
ただ、1月の住宅着工件数が上方修正され3年4か月ぶりに高い水準となったことや先行指標の住宅着工許可件数が予想を上回ったことから先行きへの期待が高まる結果となりました。
住宅着工が増えることは雇用の拡大にもつながり米景気回復の足取りが着実に進んでいることが伺われます。
一時的に中国経済に市場の注目が移ったとしても市場は最終的に米国経済に視点は戻ることになります。
今日は米2月中古住宅販売が発表され、予想を上回るようであれば米国景気への期待が再び高まりそうです。