新たなスターが誕生 | 岡安のFXブログ レグザム・フォレックス

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-~ 岡安式相場の読み方 ~



昨日のECB理事会では前回に引き続き政策金利を0.25%引き下げて史上最低水準である1.0%に戻しました。

一部で0.5%の引き下げ観測もありましたが、今回の会合ではその協議はされなかったとし、寧ろ利下げに反対意見もあった事を明らかにしています。

銀行の資金繰り支援では期間3年の資金供給策と決定し担保基準も引き下げる事を決定しました。

しかし、市場が最も注目した域内国の国債購入の大幅増額には物価安定を優先する慎重な姿勢を示しました。

また、IMFを介した資金支援には「ECBはIMFのメンバーではない」と否定的な態度を示した事で市場は失望しユーロ売りを強めました。

今月1日にドラギ総裁はEUに財政協定を求め、その後にECBが何らかの措置をする可能性を示唆した事から市場には積極的な国債購入を受け入れるとの期待感がありました。

しかし、総裁は全くその様な意図はなかったと発言。

市場がそのように受け取る事を本当に総裁が知らなかったという事はあり得ないだけに、この発言は今のEU首脳会議への警告と考えた方がよいのかもしれません。

いずれにしても、これまでのトリシェ総裁とは違いかなり一つ一つの発言に剃刀の様な感触が伺えます。

為替市場に於いては最も注目されるスターといえばFRB議長の発言でしたが、ここにきてもう一人市場が注目するスターが誕生したのかもしれません。

今後はドラギ発言が市場を振り回し始めると思われます。

トリシェ総裁の時には金融政策を変更する時には何らかのサインを市場に示してきましたが、今後は一切その様な事は示さないとしているだけに市場としては読み難くなりそうです。

ただ、インフレよりも景気重視である事を明らかにしています。

昨日の会見で2012年経済成長率を1.7%から0.3%に大きく下方修正した事で、今後更に景気が後退し市場の混乱が深まれば更に利下げを行う可能性は非常に高いとみる事ができそうです。

先ずは、今回のEU首脳会議後の総裁の発言に注目したいと思います。