「ドル買いユーロ売りの流れは変わらず」 | 岡安のFXブログ レグザム・フォレックス

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-~ 岡安式相場の読み方 ~

岡安盛男の今週の為替相場予想   12月5日~9日


先週はECB理事会やEU首脳会議といったビッグイベントを控え悲観と楽観の折り交る一進一退の展開となりました。
EU理事会では予想通り2回連続で0.25%の利下げ(一部で0.5%の利下観測も)が実施されたことや、期間3年の資金供給策を設けた事で市場は好感。
発表後はユーロ買いの動きも見られました。その後のドラギ総裁記者会見で、期待された域内の国債購入大幅増額や、IMFを介した資金支援に関しては否定的な態度を示した事でユーロは一変して売りに転じました。
先週最も大きなイベントでもあったEU首脳会議では財政規律強化の新たな枠組みで合意し終了。
今回の首脳会議では期待以上の効果はないものの、一先ず不安感は後退したとみてみることができそうです。
欧州債務問題はいわば陸上競技に例えるとマラソンと同じで、長丁場となる中で一喜一憂する展開が繰り返されます。
その観点からすれば、今回の会議では英国を除く26カ国で新たな財政協定に参加する意向を表明し、IMFを通して2000億ユーロの救済資金上乗せに合意。
また、債券保有者の損失負担を緩和するなど一歩踏み込んだ動きが示されました。
しかし、欧州問題の解決にはドイツの意向が大きく影響する事がはっきりとしました。
今後も問題解決に時間を要する事は間違いなく、安心感と不安感は交互に変わり易い状況が続くと考えてよさそうです。

週明けの市場は一先ずビッグイベントが終わった事でリ少なくともスク回避の動きは和らぐと思われますが、細かい中身をみると積極的に買いを入れる状況とはなりそうにありません。
今週はドルの動きに市場の注目が移りそうです。
先週までの米国経済指標はISMや雇用統計など事前予想を上回る景気回復を示すものが目立ちました。
今週はFOMCが14日未明に発表され、FRBのこれまでの景気懸念への見方に変化が現れるか注目されます。
特にこれまでのような追加量的緩和への見方が後退すればドル買いが強まると考えられます。
また、年末を控え年越しのドル資金需要が高まればドルは全般に底堅い動きになりやすいのではないでしょうか。
ドル円はこれまでのような一方的な円買い勢いは後退しており、寧ろ貿易収支の悪化やアジア通貨の下落など円買い需要が減少傾向にあることからドル円はもみ合いから一時的に買いが強まる場面もありそうです。

ドル円の予想レンジ:78円60銭~77円30銭