本日未明に発表されたFOMCでは「経済の先行きや金融情勢次第で、必要に応じて追加緩和を実施する用意がある」との見解を示しました。
これにより、長期金利は下落しNYダウは上昇。ドルは全面的に売りが強まる中で、ドル円は怖々ながら85円を割り込みました。
東京市場でもその流れが止まらず84円76銭まで下落。
発表後にNYダウが堅調な動きを見せたことでクロス円は全般的に円安方向の動きが見られました。
しかし、それ以上にドル円の売りの圧力が強かったという事です。
ドル円の86円台には実需も含め可也の纏まった売りが並んでいると言う話がありました。
結局介入のあった15日の高値85円75銭、翌日16日の85円92銭、17日は85円91銭、昨日の85円75銭と4日間連続で上値を抑えられました。
昨日のFOMCで追加緩和が打ち出されるとの見方もあったことから、86円台の売りの一部が発表前に売りレベルを下げてきたとみてよさそうです。
その分クロス円の買いが出ても押し戻されたと見られます。
ここで介入が入らなければ時間が経過するほど上値は重くなってくるとみます。
介入ポイントは84円ミドルか84円ちょうどで、84円を下回る様な下落になると市場は売りで攻め始めるとみます。
その前に介入でドルを吸収しないと徐々に介入が効かなくなる可能性があります。
FOMCでは今回追加緩和策を打ち出しませんでした。
今回追加緩和を打ち出せばドル円の売りはもう一段強まり、寧ろ介入を入れやすかったかもしれません。
今回追加緩和を行わなかったのは、為替との関係はなかったとみます。
このひと月間の米国景気指標がそれ程悪くなかったことが要因とみます。
FOMC委員の間でも全員の意見が一枚岩ではなかった事をみると、前回よりも追加緩和のトーンは低くなったとも考えられます。
声明文の中で最も注目されるものはデフレリスクへの警戒感が強いという事です。
今回のFOMCの結果はそれ程ドルを売り込むほどの材料ではなかったように思います。
ただ、ユーロが大きく上昇した事が殊更ドル売りに拍車をかけたように見えました。
全般的にドルは少し売られ過ぎたように感じます。
ただ、ドル円に関してはじりじりと84円ミドルを試す展開が暫らく続きそうです。
今後の米国経済指標では物価動向が特に注目されそうです。