この状況でのドル円の攻め方 | 岡安のFXブログ レグザム・フォレックス

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-~ 岡安式相場の読み方 ~

NYダウが1万ドルを割込んで引けました。
昨日発表された米国新規失業保険申請件数は予想を下回った事でドルは全面的に上昇。
しかし、それも長くは続かず、結局NYダウの下落に伴いクロス円の売りが強まり円高が進みました。
ところが、それでもドル円は84円台を保持しています。

市場は単独介入での限界を知っており、寧ろ介入により押し上げたところを売りで攻めようという状態のようにも見えます。
中途半端な介入では寧ろ円高を助長する可能性がある事を見透かしているようにみえます。
また、日銀の金融政策に於いても既に新型オペの額や期間が噂され織り込んでしまった観もありり、円高へのリスクは依然高いと見られます。
一方、最近の米国の景気指標では回復ペースの鈍化を示すものが多く、次回のFOMCでは追加緩和を打ち出す可能性は高まります。
また、民主党では来月の代表選を通じて党内での主導権争いをしている間に国政に影響を及ぼす危険性があり、市場はその歪みを狙ってくる可能性もあります。
ただ、余り馬鹿にしていると意外なしっぺ返しを食らうかもしれません。
菅首相は円高や経済対策でこの状況を打破すべく、積極的な行動を起こす可能性も考えられます。
ただ、米国側の軋轢も無視し、単独での介入も辞さないといった覚悟で大量の介入をする勇気があるかは疑問ではあります。

このようにみていくと、ドル円の下落を止める方法は限られます。
今日の日経新聞ではアジア中銀によるドル買いがドル円の下支えとなっているのではとの観測記事がみられました。
個人の外貨預金の買いもここにきて増えているとの報告もあり、確かにそれらの動きがドル円のサポートになっていると考えられます。
今日のNY時間に発表されるGDP改定値で予想以上に下方修正が見られれば、NYダウの下落からクロス円の売りが強まりかねません。
また、バーナンキ議長の発言で景気懸念への話が出れば来月のFOMCでの追加緩和への思惑が高まりドル売りが強まる可能性もあります。

これらから考えると、今のドル円の動きは混沌としており、リスクが高い割にはリターンが少ないように見えます。

ドル円を今取引するよりも他の通貨の方がパフォーマンスは良いのかもしれません。
例えば、豪ドル円などの高い金利でしかも資源国通貨であるところで、中期的な買い場を探すのも良いのではないでしょうか。
72円ミドルはこの5月から強いサポートになっているため、ここをバックに買いを入れ、抜けたら一旦手仕舞うように入るのも面白そうです。
ドル円は84円から83円付近にかけて売り込んだとしても、急激な上昇の可能性もりリスクが高いれべるでもあります。
入るとすれば短期的に83円台での買いを入れ、タイトな損切りを入れておくという方法もありそうです。