東京ディズニーシー・ファンタジースプリングスのテスト運営で一悶着【独自推測】 | The Wonderful World of Disney

※本記事は、個人の推測に基づく内容を記載しています。記事内容は公式から発表された事実ではないことを留意の上で、お読みください。一個人が独り言としてまとめている記事であることをご理解頂けない方は、ブラウザを閉じることを推奨します。

 

 

2024年6月6日、東京ディズニーシーに8番目のテーマポート「ファンタジースプリングス」が誕生します。2001年に開業した東京ディズニーシーにはアトラクション施設が順次追加されてきましたが、テーマポートとしてエリア自体の追加が行われるのはこれが初めてとなります。これまで、東京ディズニーシーは「7つの海」と称し、7つのテーマポートで構成されてきましたが、ファンタジースプリングスでは「泉」(スプリングス)がテーマとなっています。ファンタジースプリングスというテーマポートの中でも、さらに3つのエリアに分かれており、『ピーターパン』、『アナと雪の女王』、『塔の上のラプンツェル』の3作品がモチーフになっています。

 

 

東京ディズニーリゾートに限らず、世界のディズニーパークでは新施設・新エンターテイメントプログラムが公開される際、開業予定日よりも前にテスト運営・テスト公開をする方針をとっています。これは、キャストや出演者だけではテストできない実際の運用を想定した最終トレーニングという位置づけで行われます。

 

東京ディズニーリゾートのスペシャルイベントを振り返ると、イベント自体は〇日~となっているのに対し、大半はその前日のショースケジュールが空白となっています。一般利用客からすればその日はショーやパレードをやらないと読み取れますが、このイベント前日にあたる日をテスト運営日・報道公開日に充てています。予定にはなくこっそりお試しで行うことから「スニーク」と呼ばれ、ショーやパレードは実質お披露目の公演と報道公開を同時に行うのが慣例となっています。おかげでハロウィーンシーズンは、仮装許容日がイベント期間+1日になっているのが残念なところです。

 

新アトラクション施設においても、最初はキャスト間でオペレーションなどの確認を行う「キャストプレビュー」を実施します。役者が揃ったところで、報道公開「プレスプレビュー」を実施し、その施設を世に広めてもらう広報活動を行います。プレスプレビューから実際のオープンまではある程度期間が設けられるので、スポンサー企業と提携して対象者を選定して招待する「スポンサープレビュー」を実施したり、一般利用客を利用したより実運用に近い状態で最終確認を行う「スニークプレビュー」を行います。ここ最近ではプレビューつきのパッケージプランを発売する傾向にあり、先行体験を確約したバケーションパッケージ等のプランが登場しています。このように、新施設をオープンするには段階を踏んだテスト運営を行い、正式オープンに備えることで、オープン後のトラブルや混乱を最小限にする準備がされます。

 

ファンタジースプリングスという新エリアオープンにあたっても、下記のような段階が踏まれたのですが、「スニークプレビュー」において、ディズニーファンを中心に一悶着する出来事が起きました。

 

 キャストプレビュー(従業員およびそのご家族を招待)

  ↓

 プレスプレビュー(報道公開)

  ↓

 スポンサープレビュー(TDRスポンサー企業を通した招待)

  ↓

 スニークプレビュー(特別なチケット等なく一般客が利用可)

  ↓

 スニーク・先行販売枠プレビュー(実運用を想定したテスト運営)

 

 

ファンタジースプリングスでは、各種プレビューが組まれたのですが、そちらをまとめられている方がいらっしゃいましたので、ツイート(ポスト)を引用します。

 

 

これをみると、空いている平日の枠で以下5日の空白が存在します。(一旦、土日は省きます)

 5/13(月)

 5/16(木)

 5/20(月)

 5/23(木)

 5/27(月)

 

スニークプレビューの存在を知っている常連客に関しては、この表を見て真っ先にスニークプレビューを察したことでしょう。ちなみに5/13(月)がスニークプレビューの初回となる予定でしたが、終日に渡って大雨となったため、スニークプレビューは実施されませんでした。しかし、一部の常連客(有名どころのアカウント)は東京ディズニーシーに足を運んで偵察されていました。何かあればネットで注目を集められますからね。そして、5/16(木)に、テスト運営という名目のもと、スニークプレビューが実施されました。

 

そして、ここで1つ騒ぎとなる事態が発生しました。

 

 

オープン後は指定のパスを所持していないとエリアに出入りができない制限が設けられるのですが、このスニークプレビューではエリアへの制限が設けられなかったのです。これには、先行体験の確約つきのパスポート(ファンダフルディズニー)やバケーションパッケージを購入した人から多くの批判が飛びました。お金を出して、エリアへの入場確約の権利を得ているわけですから、チケット代以外に一銭も払わない一般客が自由に出入りできている状況に怒るのも無理はありません。そして、今はネット社会です。先行体験枠よりも前に、一般客が次々に施設を体験し、その様子がネタバレとしてSNS上で広がりましたので、課金者からはさらに怒りを買う展開となりました。当然ながら、SNS上では批判の声が上がり、運営会社へクレームを入れた人もいれば、先行体験が確約された高額なバケーションパッケージをお金を出してまでキャンセルする人が出る事態となりました。

 

 

先行体験を確約しているとはいえ、正式開業日よりも前に体験できるというのであって、一般客よりも前に体験できるとは一言も書いていませんでしたし、先行体験枠以外で別にお客さんを入れることが明記されていました。なので、お金を払っているから先に体験させろというのは少し無理があるのかなと思います。

 

そしてお金を取っている以上、失敗は許されません。アトラクション施設が利用できなければ、それに応じた返金が発生してしまいます。つまり、より完璧な運営を行うためにも、先行体験枠よりも前に一般客を利用したスニークプレビュー実施が必須というわけです。それはいくら東京ディズニーシーがフランチャイズ運営だからとはいえ、ディズニーパークである以上は、絶対に必要なことです。これがダメであればディズニー社からGOサインをもらえず、開業日にオープンできない事態になりかねません。「スニークプレビュー」を実施する意味が、今のリピーターに浸透していなかったことやSNS上での嫉妬や承認欲求アピールが過激化したが上に、今回の事態になったのかなと思います。コロナ禍でリピーターの層が変わったというのがこのことからも分かりました。

 

 

5/20(月)のスニークプレビューでは、全体的にキャパシティが増加された一方で、エリア制限をかけていなかったために、ファンタジースプリングス・エントリーウェイやエリア内の通路が人で溢れる一面がありました。ディズニーパークで言えば、これは危険と判断されかねないレベルです。アトラクション施設前やレストラン施設内では、当日のスタンバイパスやモバイルオーダーのキャンセル拾いをするリピーターが見受けられ、エリアに滞留してしまう時間が延びた結果、想定よりも人が集中してしまったものと思われます。これに関しては、今後の運営方法で改善されるようにみえますが、もう1つの懸念事項が発生しました。

 

5/16(木)と5/20(月)の2回に分けてスニークプレビューが実施されたことを受けて、SNS上では次回5/23(木)にスニークプレビューが実施される旨の情報が広範囲に渡り拡散されてしまいました。リーナベルのコラボグッズ発売日でもありましたが、前日までにチケットが完売していましたので、ネットの影響力が大きかったことが伺えます。このことから、5/20のスニークプレビュー以上にエリア内に人が集まることが分かってしまったのです。

 

そこで、運営はどうしたかというと、これ以上人が集まってしまうと施設エリアに影響が出る(本来テストしたかったことができなくなる)と判断し、5/21の時点で5/23分のスニークプレビュー実施を取り下げています。部署によってはキャストのシフトが終日お休みになったり、担当のロケーションが変わったりしたようです。フード部門においては、食材の仕込みが行われるようですが、これらを破棄してでもスニークプレビューを取り下げたとのことですので、事の重大さがこのことからも伺えます。運営的な目線からすれば安全を最優先したまででしょう。「本来予定されていなかったものが、予定通り実施されなかった」、それに尽きます。

 

 

結局のところ、5/23(木)はスニークプレビューが実施されず、案の定、一部の入園予定者はチケットの入園日を変更したことで、当日チケットの再販が起きました。でも言い換えれば、スニークプレビューが無くなったことで、チケットの日付変更してでも入園日を変えるということは、今の東京ディズニーシーのコンテンツとファンタジースプリングスという新エリアのコンテンツを天秤にかけたときに、ファンタジースプリングスのない東京ディズニーシーに魅力がないとも言えます。魅力があれば、スニークプレビューがあろうがなかろうが、入園するはずですので。

 

 

スニークプレビューという存在は、SNSが発展する前までは常連客のみぞ知る先行体験でしたが、今やSNSが普及した時代、隠れる情報も包み隠さず拡散される時代です。運営側が隠したいという情報も筒抜けになります。それこそ携帯電話・スマートフォンの普及がディズニーパークの楽しみ方を狂わせたとも言えますが、まさに今回のテスト運営中止というのは今後のパーク運営でも大きな影響を与えた出来事になったのかなとも思いました。

 

5/28~6/2の間でも、招待つきのプレビューとスニークプレビューを合わせた実践的なテスト運営が1週間に渡り開催されましたが、特段の大きな混乱や出来事はなかったようです。各アトラクションを意図的に止めて利用客の避難誘導を実施するテストも行われましたが、実際にはリアルにシステム不具合が頻発して1日の半分が運営中止になる事態が起きてしまったようです。そこは、正式開業までに調整を重ねてスムーズな運営がされることを願うばかりです。

 

どこまでが本当の話でどこまでが正しい情報かは、読んだ方の判断にお任せします。ファンタジースプリングスは、2024年6月6日開業です。