東京ディズニーリゾート・有効期限設定のない乗車証類の受け入れ終了 | The Wonderful World of Disney

 

東京ディズニーリゾートのアトラクション施設で配布していたフューチャーライドカードと優先入場整理券について、2025年9月30日をもって、受け入れを終了することが発表されました。

 

リリース元:

https://media2.tokyodisneyresort.jp/home/download/notice/20230915.pdf

 

 

フューチャーライドカードとは、各アトラクション施設に設定されている身長制限等で乗車できなかったお子様に対して配布されていたもので、2011年12月31日に配布を終了しています。未来のXX証明書という文言は共通していますが、アトラクション施設のバックグラウンドストーリーに合わせて施設ごとに名称が異なります。未来の乗車証明書と呼ばれることが一般的です。

 

このカードが配布された背景として、現地に行って初めて身長制限を知って乗れなかった子供のために用意されたもので、今回乗れなかった分、成長して身長制限等をクリアしたときに少ない待ち時間で乗車できるというものでした。しかし、インターネット等の普及で各施設の身長制限等を事前にアナウンスすることが可能となったため、上述の期限をもって配布を終了することとなりました。2011年に乗車できなかった方々も、2023年には小学校高学年~中学生の年代ですので、この時期に終了でもおかしくはありませんが、当時約束されていた「未来の乗車証明書」という意味では、有効期限を設けるのはどうなの?と疑問に思う部分ではあります。せめて、アトラクション入口での対応とはせず、ゲストリレーションでアプリに権利を付与するなど、やり方はあったはずですが...。

 

既に配布終了となっているので書きますが、このカードの存在を知っていたお子さんをお持ちの常連客は、あえてそのアトラクションに乗れないことを知りつつ、このカードを意図的に貰って溜めておき、既定の身長制限をクリアしてからご家族だったり、学校の友人たちと活用するなんてことができました。利用できる人数は各アトラクション施設によって異なり、例えば上記のレイジングスピリッツの場合は1回で乗車できる定員が12人のため、最大12名までが利用できます。私も母親のおかげでたくさんの乗車体験ができた一人でした。このカード1枚で同行者の方もファストパス同等の価値でアトラクションを体験できるわけですから、まさに魔法のカードでした。あえて言うならば、入り口で「大きくなったね!」と言われるくらいです。二世代や三世代に渡ってディズニー好きを受け継いでいれば楽しめたという知る人ぞ知る裏ワザでした。

 

 

「優先入場整理券」は、アトラクション施設等で運営を見合わせた際に配布されたもので、2019年7月16日で配布を終了しています。このカードは2種類あり、その日に対象施設を利用することが限定されたものと、当日または次回入園の際に指定アトラクション以外は利用できるというものです。上の写真でいう左側が前者、右側のホログラムがついたカードが後者にあたります。違いは「本日のみ」と記載されているか「本日または次回来園時」と記載されているかです。黒枠で隠している部分に発行元の施設情報とそのカードのシリアルナンバーが記されています。また、不正利用防止の観点から左右に日付情報のマーキングがされていないカードは使用できません。左側は12/29、右側は1/29にチェックがついているのが分かります。

 

東京ディズニーリゾートではよくシステム調整という言葉を耳にしますが、アトラクション運営を見合わせた際は原則前者のカードが人数分配布され、運営再開後に少ない待ち時間で利用できるものでした。しかし、開園時間内に運営再開が見込めない場合や、日中でも例えば新幹線の都合で再開見込み時間まで居られないという方に対しては後者のカードが配られました。当然ながら前者はその日に使い切らないと無効になりますが、後者は次回入園時ということで期限設定されていません。つまり閑散期平日にもらったカードを、繁忙期土休日に使うこともできてしまいますので、運営的にもあまりばら撒きたくないカードというのは言うまでもないでしょう。このカラクリを知っていた常連客は理由をつけて後者のカードをもらい、次回の入園で楽しむなんて使い方もできました。既に配布を終了したから言える話ですが、そもそも常連客はアトラクションにあまり乗らないのでこの手の情報は出回っていませんでしたけどね。話は脱線しましたが、要は後者のカードが今回の対象ですよってことです。未来の乗車証明書と違って、1枚につき一人までしか利用できません。

 

この「優先入場整理券」自体は、2019年7月16日に配布を終了しており、これ以降にオープンした新アトラクション、東京ディズニーランド「美女と野獣“魔法のものがたり”」「ベイマックスのハッピーライド」や東京ディズニーシー「ソアリン:ファンタスティック・フライト」では利用することができません。今後新しくできる施設も同様です。

 

現在「優先入場整理券」は、「マルチエクスペリエンス」という制度に代わっており、アトラクション運営を見合わせた際は、東京ディズニーリゾート公式アプリにて権利が付与される形になりました。当日中に同一施設もしくは対象施設が利用できる赤いマルチエクスペリエンス、当日中または次回来園時に利用できる紫のマルチエクスペリエンスの2種類があります。常連客の間では、赤マルチ、紫マルチと呼ばれています。紫のマルチエクスペリエンスは付与した日から2年間の利用期限があります。期限がついた違いはあれど、優先入場整理券と考え方は同じです。公式アプリ普及に伴い、マルチエクスペリエンスの取り扱いにシフトしたといった方が良いですね。

 

 

今回取り扱い終了が宣告されたのは、どちらも配布を終了しているカードですので、年々利用される方も少なくなっているでしょうし、新しく配属されたキャストに対してもこれらのカード利用に対する対応を教育する手間が省けますから運営的には都合が良いのかもしれません。別の見方をすれば、期日なく誰でも使えてしまうカードであるがゆえに、メルカリ等のフリマアプリでも高額転売されているケースが散見されていました。その対策というのが裏の狙いかもしれませんが、いずれにせよ手元に未使用のカードをお持ちの方は使用するのをお忘れなく!